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価格競争とは|巻き込まれないほうがいい4つの理由と5つの対策方法

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価格競争とは|巻き込まれないほうがいい4つの理由と5つの対策方法

近年では、あらゆる業界で価格競争が激しくなっています。消費者の立場で見ると、価格競争が進むことで優れた商品を安く購入できるため、歓迎できる状態に思えます。しかし、企業経営者の立場で考える場合、自社が価格競争に参戦する事態は避けなければなりません。

この記事では、価格競争が起きる理由と避けるべき理由、巻き込まれないために取るべき対策方法を解説します。自社商品を安易に値下げすることなく、適正価格で消費者に届けたいと考える人は、ぜひ参考にしてください。

1.価格競争とは?

価格競争とは、製品やサービスの販売価格を他社より安価に設定する、価格戦略主体で競合同士が市場勢力を争う状態です。

複数の企業で同様の商品が競合するとき、1つの企業が値下げを行うと多くの顧客が価格の安い商品を選択します。顧客にとっては価格の安さが商品購入の重要な判断基準となるため、機能や品質が同等であれば顧客流出を止めることはできません。すると、現行価格で売れなくなった企業が値下げに踏み切る→顧客が流れる→他の企業が値下げするといった負のスパイラルが発生し、安売り競争に陥ります。

価格競争に陥る大きな要因が、商品の「コモディティ化」です。コモディティ化とは、企業の技術や意識の向上により、競合他社製品の差別化が難しくなった状態を指します。近年では、独自性の高い商品が市場で人気になるとすぐに類似商品が安価で市場に出る上、機能や品質の差もさほど大きくありません。そのため、どの業界でも深刻なコモディティ化が進んでおり、激しい価格競争が繰り広げられています。

また、需要と供給のバランスが崩れた場合にも、値下げによって商品を売り切ろうと考える企業が増えるため、価格競争に陥る傾向です。

1-1.価格競争に巻き込まれないほうがいい理由4選

企業の未来を考えるのであれば、可能な限り価格競争は避けましょう。下記は、企業が価格競争に巻き込まれないほうがいい4つの理由です。

・利益が減ってしまうため

基本的に、商品を安くしても製品を作るコストや人件費はさほど下がりません。1商品当たりの利益率が下がることで、企業の収益性も下がります。利益が減ると未来に向けた投資もしにくくなり、企業の成長率も下がる傾向です。

・中小企業が大手に勝つことは難しいため

中小企業の場合、展開する事業自体が少なく、また薄利多売にも限りがあります。しかし、大手企業であれば、生産性を大幅に上げて一気にシェアを奪い、利益を回収できます。また、損失が出ても別事業からの補填が可能です。中小企業が大手との我慢比べに勝てる見込みはほとんどありません。

・リピーターが集まりにくいため

価格競争で値下げされた商品を購入する顧客の多くは、もっと安い商品があれば大概そちらを選びます。特定の企業や店舗のファンになるケースは少なく、リピーターの獲得にはつながらない傾向です。

・値下げした価格が当たり前になるため

企業側からすると一時的な割引きやサービス価格のつもりでも、顧客にとっては値下げされた状態が通常価格として認識されます。そのため、本来の商品価格に戻す行為は「適正価格」ではなく「値上げ」と捉えられてしまい、客離れを引き起こしかねません。

2.価格競争に巻き込まれないための対策方法5つ

商品の低価格化は避けたほうがよいとはいえ、競合が率先して値引き競争を仕掛けてくることもあります。ライバル商品が値下げを始めても価格競争へ参戦せずに済ませるためには、日頃から下記の対策を練っておくことが大切です。

  • ブランディングに取り組む
  • ニッチな分野で勝負する
  • 顧客・従業員の満足度を高める
  • 顧客に有益な情報を提供する
  • 価格以外の付加価値をつける

以下では、企業が価格競争に巻き込まれないための方法を解説します。

2-1.ブランディングに取り組む

価格競争を避ける手段として有効なのが、企業や商品のブランディングです。顧客から「多少高くても、この商品を購入したい」と思ってもらえれば、他社が価格競争を仕掛けてきても問題ありません。

下記は、ブランディングを行う際のポイントです。

  • 自社の強み・弱みを明確にする
  • 業界でのポジショニングを理解する
  • 自社が提供したい価値・理念・目的を定める
  • ブランドの方向性を定め、社内で共有する
  • Webサイトや広告などを通じて顧客に情報を届ける

ブランドイメージと顧客のニーズがマッチしていれば、価格が高くてもリピーターや新規顧客獲得につなげることができます。

2-2.ニッチな分野で勝負する

市場参入の時点でブルー・オーシャン戦略を取ることも、価格競争を避ける方法の1つです。ブルー・オーシャン戦略は、競合相手が少ない分野や大手が手を出しにくいターゲットをピンポイントで狙い、市場の独占を狙う戦略を指します。

下記は、ニッチな分野で勝負する際のポイントです。

  • 他社にない機能・付加価値をつけ、商品の独自性を追求する
  • 不要な部分をとことん削ぎ落し、一部の機能だけに注力する
  • 商品の品質を徹底的に高める
  • 高品質かつ低価格で提供できるサービスを考える
  • マーケティングの知識・スキルを身につけておく

ただし、あまりに市場が小さすぎる分野だと利益が上がらない恐れや、真似しやすい分野だと大手に参入されシェアを奪われるといったデメリットもあります。

2-3.顧客・従業員の満足度を高める

市場で勝ち残るためには、リピーターの獲得が必須です。そして、顧客をリピーターにするには顧客満足度を高める必要があり、そのためにはアフターフォローが重要となります。

下記は、アフターフォローの一例です。

  • 商品購入・サービスの利用後も定期的にコンタクトを取る
  • 商品購入後の活用状況を確認する
  • サービスの満足度を調査する

丁寧なアフターフォローによって顧客との信頼関係が築かれ、関連商品の購入へつながるとともに、社内だけでは気づきにくい改善点を見つけられる可能性が高まります。また、従業員の満足度を高めて仕事への意欲が上がると、顧客からの印象や満足度も向上しやすい傾向です。

2-4.顧客に有益な情報を提供する

顧客の多くは、常に明確な意思を持って商品を探しているわけではありません。欲しいものはすでに手に入れており、急いで購入したり買い替えたりする必要がない人がほとんどです。

しかし、顧客自身が気づいていない問題や課題は意外と多く、下記のような顧客のニーズを先回りする情報を提供することが重要です。

  • 自社商品の利用で解決できる問題を提示する
  • 新製品や以前購入した商品のバージョンアップ情報を告知する

顧客が抱える潜在的なニーズにこちらからアプローチし、改めて問題を認識してもらうことで、信頼関係の構築や新たな成果につながる可能性が高くなります。

2-5.価格以外の付加価値をつける

顧客から商品価格のみで比較されることを避けるには、価格以外の部分で勝負しなければなりません。商品に付加価値をつけ、競合との差別化が明確になると顧客へのアピールもしやすくなります。

商品の付加価値はさまざまな種類がありますが、下記の例が代表的です。

  • 感覚・情動に訴えかける情緒的価値がある
  • 社会・環境へのメリットが明確な社会的価値がある
  • 短時間で効果が得られる
  • 手軽に利用できる
  • 大きな成果が出やすい
  • 成功確率や再現性が高い
  • 成果の持続性がある

商品の付加価値に顧客が共感してくれれば、多少価格が高くとも納得して選んでもらえます。

3.価格競争の例2選

近年の身近な価格競争の例としては、携帯業界・牛丼業界の2つが挙げられます。

携帯業界では、基本料金が大幅に値下げされたことに加え、一部のキャリアでは顧客の異動を妨げていた「2年縛り」の解約金も完全に廃止されました。安価なプランが増えて顧客には歓迎される一方で、企業の利益が目減りすることで設備投資の資金回収に苦労しています。

牛丼業界では、シェアを独走していた企業がBSE問題で足踏みする中、新鋭企業が大幅な値下げと豊富なメニュー展開で業界トップを勝ち取りました。しかし、「牛丼=格安」というイメージが定着してしまった結果、原材料や人件費の高騰による値上げが顧客の理解を得られず、集客に苦労する結果を生み出しています。

まとめ

価格競争とは、競合企業同士が商品の安さで争う状態を指します。顧客のほとんどは安い商品に流れてしまうため、「どこよりも安く」を繰り返した結果、十分な利益を上げられなくなるケースが少なくありません。

自社の商品が価格競争に巻き込まれず、かつ多くのリピーターを獲得するためには、企業のブランディングを行い他社商品との差別化を図ることが大切です。

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