組織構築とは?組織の役割・基本型と導入すべき手法

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組織構築とは?組織の役割・基本型と導入すべき手法

「組織構築」とは、やや漠然とした言葉で、「組織デザインの構築」「組織体制の構築」などといった言葉で使用されることが多いでしょう。

強い組織を構築することは、会社の未来の業績・安定した経営にも大きく影響し、経営者やチームリーダーは重要視しなければならないポイントの一つです。

当記事では、組織の持つ役割と基本形態を解説します。併せて組織構築の際に重要な人材像や、組織構築で取り入れるべき手法にも触れるため、しっかりした組織構築をすることで、事業を軌道に乗せたい経営者・リーダー層の方は、ぜひ参考にしてください。

1.組織構築とは?

組織構築とは「会社やチーム全体で目的を達成するために、会社・チームの構造・システムを作ったり、見直したりすること」です。ここで言う目的とは、会社の存在意義である企業理念や、成果指標であるKPIなどを指します。

精選版 日本国語大辞典によれば、「組織」について、以下のような説明がされています。

一定の目標があり、成員の地位と役割とそれに応じた責任が決められているような人々の集合体。

引用:コトバンク「精選版 日本国語大辞典②」

組織は人の集合体です。それぞれのスタッフを目的の方向へ向かせられるかどうかが組織構築のカギと言えます。そのためには、組織のトップ、リーダーからメンバーに対して、企業理念やビジョンに基づいた指示・意思共有を行い、企業理念やビジョンを浸透させていくことが大切です。

1-1.組織の持つ役割

組織の持つ役割にはさまざまなものがありますが、主に以下の3つが挙げられます。

  • 会社の方針や判断基準の共有
    組織という枠組みが存在せず、個々人がバラバラに活動していると、会社の方針や判断基準など、全社で共有したい考え方が浸透しにくいでしょう。
  • ミッション達成に向けた行動
    組織があることによって、目標達成に向けた行動が明確になります。例えば、情報共有がスムーズにできたり、各組織が持つべき責任が明確になったりすることも、組織を構築するメリットと言えます。
  • 会社の成長に必要なノウハウの蓄積
    組織を構築することで、各仕事のノウハウや専門性が、個人だけでなく、組織全体に蓄積していきます。その組織のエキスパート人材が異動になったとしても、円滑な引き継ぎができたり、ノウハウの共有がスムーズにできたりするため、長期的な会社・チーム運営にもポジティブな影響を与えます。

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1-2.組織の基本形態

組織構築を行うにあたっては、まずどのような形態の組織にするかを考える必要があります。組織の種類は、主に以下の3つが挙げられます。

  • 事業部別組織
    事業別に組織を作り、組織内で業務プロセスを完結させる形の組織が事業部別組織です。大企業が多く採用している形態で、製品別や地域別、顧客別に組織を作ります。例えば、家電メーカーなら製品別に○○事業部をいくつも設け、その中に開発部門も営業部門も入れるという具合です。事業部が1つの会社のように機能するため、効率化が図れます。
  • 機能別組織
    機能別組織は、会社内でどのような機能を果たしているかによって部署を分けた組織です。例としては、営業部や人事部、総務部などがあります。事業に変化があっても、機能別の分け方には変化が起きにくいため、長く機能しやすい組織です。また、1つの組織に同じ専門性を持ったスタッフを集められることから、専門分野を持つ人材育成がしやすい点もメリットです。
  • マトリクス組織
    マトリクス組織は、事業部別組織と機能別組織をミックスした組織です。複数軸で構成されるため、各組織の権限を両立させられます。業務が効率化できたり、トップの負担が軽減されたりするメリットがある一方で、リーダーが複数人存在するため、指示系統が混乱しやすいというデメリットもあります。

2.組織構築に重要な人材像

組織構築にあたっては、どのような人物をどのポジションに配置するかが重要です。特に重要なのが各組織のトップで、社長や経営者のような上層部と、組織のメンバーの橋渡しをする必要があります。具体的には、部長・課長といった職が該当するでしょう。

各組織のトップに向いている人材の特徴
  • 自部門の業務に関してプロフェッショナルである
  • 他部門への理解や協力もしっかりと行える
  • 上層部の方針を理解した上で、自部門の方向性を明確にできる
  • 部下の相談・悩みなどを傾聴しながら、上手にマネジメントできる

長期的な経営を見据え、各組織のトップを任せられる人材が育つよう、一般の従業員に関しても、日々育成を行っていくことが大切です。

3.組織構築に導入すべき手法

組織構築には、上層部と組織のメンバーの橋渡しができるような人物が必要ですが、このような人物が社内に見当たらない可能性も十分に考えられます。該当者がいない場合は「組織マネジメント」と「組織デザイン」の考え方を取り入れ、組織構築に役立てていきましょう。

3-1.組織マネジメント

組織マネジメントとは、組織を円滑に運営するためのマネジメント手法です。主に以下の4つの経営資源を活用して、企業理念の達成につなげることを目的とします。

【4つの経営資源】

  • ヒト
  • モノ
  • 情報

また、組織マネジメントを実際に行う上では、以下の7つの要素(7S)を意識してみましょう。

【組織マネジメントの7S】

戦略(Strategy) 競争に勝つために組織の方向性を考えること。
組織(Structure) その会社・チームにとって最適な組織構造の種類。
システム(System) 組織がスムーズに機能するように作った仕組みや制度のこと。
スキル(Skill) 他社との競争優位性。社員一人ひとりの能力だけでなく、自社の商品やサービスの販売力や開発力、マーケティング力も含みます。
人材(Staff) 組織のミッション・ビジョン・バリューを正しく理解し、それに向けて行動できる人材を育成すること。
スタイル(Style) 経営スタイル、社風や職場環境など。
価値観(Shared Value) 企業のミッション・ビジョン・バリューを指す。組織マネジメントにおける意思決定の判断基準になるもの。

3-2.組織デザイン

組織デザインとは、最高のパフォーマンスを発揮できるような組織を設計することです。一から作るのではなく、モデルとなる組織が既にあり、現在の課題に合わせてアレンジしていくことが基本的なプロセスとなります。そのため、現状の組織を見直す際によく使用される用語です。

いくら「組織マネジメント」を意識して経営を行っても、組織自体の枠組みが適切でなければ、企業経営はうまくいきません。時代の変化が大きい昨今、潮流に合わせて組織デザインをリニューアルすることは、非常に大切と言えるでしょう。

まとめ

組織とは、一定の目標を達成するために役割や機能を分化した集団です。組織構築は、企業理念を実現するために社内の構造やシステムを作ったり、見直したりすることを指します。

また、強い組織を作るためには、会社のブランディングから見直していくことも大切です。インナーブランディング・アウターブランディングの2つがしっかりと行われている企業は、しっかりとした組織基盤が構築されている傾向です。組織構築やブランディング手法に関して、より詳しく学びたい方・経営者の方は、イマジナなどで行われている無料セミナーなどに参加することも検討してみてはいかがでしょうか。

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