ブランディングに必要なブランドマネージャー|役割やスキルを解説

ブランディングに必要なブランドマネージャー|役割やスキルを解説

近年、「ブランドマネージャー」というポジションを置く企業が増えています。商品・サービスや企業全体のブランディングを担うブランドマネージャーは、ブランドの責任者であり、ブランドイメージの定着に努めます。

当記事では、ブランドマネージャーの役割について解説するとともに、ブランドマネージャーに必要なスキルを解説します。ブランドマネージャーについて知り、自社にブランドマネージャーが必要か判断するための参考にしてください。

1.ブランディングにかかわる「ブランドマネージャー」とは?

ブランドマネージャーとは、ブランドの価値を上げるための活動全般を担う責任者です。ブランドアイデンティティの構築、開発、管理といった活動を統括して、ブランドに価値を与えるのが仕事です。

ブランドとは、対象となる企業や製品に対して個人が抱くイメージの総称です。例えば、目の前に同じような機能を持つ2つの商品があったとき、顧客は商品ブランドの持つイメージを頼りにどちらを購入するか選ぶ場合があります。

顧客はそれぞれ異なったブランドイメージを持っています。ブランドに少しでもよいイメージを抱いてもらう一連の活動がブランディングです。ブランディングマネージャーは、市場や購買者によりよいイメージを与えるためのブランディング活動全般を統括する役割を担当します。

1-1.ブランドマネージャーはなぜ必要?

ブランドマネージャーは、ブランドの対象に一貫したイメージを作り上げ、長期的な施策を戦略的に指揮する役割として必要とされています。

ブランドは一貫した価値観、世界観を保ち続けることが重要です。ブランドイメージが不明確、または統一性に欠けていると、ファンを獲得するのが難しいだけでなく、顧客の信頼を得られません。

また、ブランドのイメージを決定するブランディングは、短期的な施策では効果がありません。ブランドイメージは、顧客の感情をどれだけ揺り動かし、ブランドのファンになってもらえるかがカギとなります。顧客の要望を満たす効果的な施策を打ち出したとしても、効果が持続しなければ、顧客の信頼度は下がっていきます。

顧客を惹きつける世界観を長期的に持続させるブランドマネジメントを構築するのが、ブランドマネージャーの役割です。

2.ブランドマネージャーの仕事

責任者としてさまざまな業務を幅広く統括するブランドマネージャーにとって、特に重要な役割は、ブランディング戦略とマーケティング戦略を決めることです。2つの戦略を立てると、ブランディングの方向性が明確になります。

ここからは、それぞれの業務内容を解説します。

2-1.ブランディング戦略

企業や商品に対して、誰もが連想しやすいイメージを付加するには、しっかりとしたブランディング戦略が必要です。無計画な広告宣伝に予算を投入しても、効果は思うように上がりません。

次の5つのステップを意識すると、ブランディング戦略が立てやすくなります。

  • 市場調査
  • ターゲットを設定
  • コンセプトデザイン
  • ブランドイメージの統一
  • 訴求プランを策定

まず、売り出したい対象の市場規模や購買層を調べて、年齢や職業などのデータを集めます。収集したデータから、顧客となるターゲットの絞り込みが可能です。

次に、ブランドに込めた意図や思いなどの概念をコンセプトデザインに落とし込み、視覚で確認することで、ブランドを打ち出す側の共通認識を統一します。

ブランドイメージの統一は、ブランドの一貫した価値観を市場や消費者に訴えるために重要です。ロゴやキャッチコピー、カラーなどを統一し、企業案内やパッケージ、名刺などのデザインルールを決定します。

訴求プランは、ターゲットやブランドイメージを明確にした後に策定するのが効果的です。広告や広報活動、イベントなど、訴求方法はさまざまですが、想定しているターゲットにブランドを認知してもらうための効果的な方法を選択します。

2-2.マーケティング戦略

マーケティング戦略とは、どのような顧客に、どのような価値を、どのように提供するかを決める取り組みです。計画性のないビジネス展開は、経営資源を浪費しかねません。競合に対して自社商材の差別化を図り、効率的に利用するためには、明確なマーケティング戦略が必要です。

マーケティング戦略には、主に5つのステップがあります。

  • 市場環境の分析
  • ターゲットを設定
  • ポジショニング
  • ブランド価値の明確化
  • マーケティングプランを策定

まず、売り出したい商品やサービスが対象とする顧客や市場、競合などの外部環境を分析します。分析の結果は、ターゲットを設定するのに役立ちます。ターゲットは、年齢や性別はもちろん、居住地域や趣味まで詳しく設定することが大切です。

ポジショニングは、競合他社を含めた市場の中で独自性や安定性のある立ち位置を確認する作業です。ターゲットを踏まえてポジションを探ることで、商品やサービスの購入メリットや価値提供といった、ブランドの目指す姿が明確になります。

最後に、明確化したブランドの価値を顧客へ提供するプランを策定します。商品やサービスをより効率的に提供するには、生活者の視点に立って考えることがなによりも重要です。

3.ブランドマネージャーに求められるスキルは?

ブランドマネージャーの施策は担当ブランドの将来を左右します。ブランドマーケティングを効率的に実行するには、試験や講座では得られない幅広い経験と知識が欠かせません。また、経営者の目線や、組織をまとめる能力も必要になります。

ここからは、ブランドマネージャー業務に求められるスキルについて解説します。

3-1.専門的な知識

ブランドマネージャーは、自社の商品やサービスを選んでもらうために、専門的な知識を使って施策を打ち出す力が必要です。

商品やサービスがあふれている時代に、顧客の購買意欲を盛り上げるのは簡単ではありません。「お客様」視点を忘れずに、購買行動を起こしてもらう作戦や計画を立てて実行するまでの枠組みを構築する知識が不可欠です。

顧客構造分析や、データ分析、「STP分析」「3C分析」などのマーケット分析といった専門知識を駆使して課題を解決し、チームを導きます。

3-2.分析力

ブランドの分析は、商品やサービスをブランディングする上でとても重要です。現状を正確に分析できれば、将来予測が可能になり、スムーズな意思決定が可能になります。

ブランドマネージャーに必要なのは、ブランド戦略を組むための客観的な情報収集能力や、効果的な解決策を考えられる問題解決能力、分析結果を効果的に活用する思考力です。

市場や顧客、競合ブランドや他社だけでなく自社の企画内容や商品開発状況も冷静に把握し、具体的な事業戦略を策定できる分析力が必要です。

3-3.コミュニケーション能力

ブランドマネージャーには、チームをまとめるためのコミュニケーション能力が欠かせません。チームが一体となれば、ブランディングを効果的に進められます。

担当者とのコミュニケーションは、単に情報共有ができるだけでなく、信頼関係の構築にもつながります。日頃から聞くことや質問することを意識して、マネジメントに必要なコミュニケーション能力を磨いておきましょう。

3-4.プレゼンテーション能力

高いプレゼンテーション能力は、ブランドマネージャーにとって欠かせないスキルです。ブランド戦略は、1人では実行できません。ブランディングをスムーズに進めるためにチームメンバーや社内、ときには社外を説得させる必要があります。

周囲を納得させるプレゼンテーションには、商品やサービスを正しく理解していることの他に、ゆっくり話す、難しい言葉を使わないなど、相手に配慮する姿勢も大切です。

まとめ

ブランドの持つ価値観やイメージを顧客に伝えていくには、ブランドマネージャーの指揮のもとブランディングを行うことが大切です。

ブランドの責任者となり、ファンを増やす役目を持つブランドマネージャーには、ブランディング戦略とマーケティング戦略についての知識が必要です。他にも、分析力やコミュニケーション能力、プレゼンテーション能力など幅広いスキルを持っている必要があります。ブランドの将来を担う存在になるため、実力のある人材を抜擢することが大切です。

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