イメージ戦略の概要と重要性|取り組む際の流れから3つの事例まで

イメージ戦略の概要と重要性|取り組む際の流れから3つの事例まで

イメージ戦略は、商品・企業・人物・など、特定のものを宣伝する際に、特定のイメージを世間に与えるための、具体的な戦略のことです。企業の価値を高める上で効果的な方法であり、将来的な利益増加のために、イメージ戦略に取り組みたいと考える人も多いのではないでしょうか。

そこで当記事では、イメージ戦略の重要性や、取り組む際の流れについて解説します。イメージ戦略のメリットや成功例もあわせて確認し、取り組み方について理解を深めましょう。

1.イメージ戦略とは?ブランディングとの違い

イメージ戦略とは、ブランドの認知を広げて価値を向上させるための戦略を指します。イメージ戦略とブランディングは似たような意味で使われますが、ブランディングは商品、および販売元の企業に対してよいイメージを持ってもらうことです。

言い換えれば、ブランディングをするための戦略がイメージ戦略です。ブランドに対するよいイメージが浸透すると、同じような商品が多数存在していても、イメージ戦略に成功している企業の商品が選ばれる可能性が高まります。

1-1.イメージ戦略に取り組む重要性

イメージ戦略が重要になる理由は、イメージ戦略によってブランドのイメージが高くなっていると、商品・サービスを販売する上で有利になるためです。有利性の象徴として、「知覚品質」という言葉が挙げられます。

知覚品質とは、商品そのものの質ではなく、消費者が商品やサービスに対して抱くイメージ品質のことです。たとえば消費者が紅茶を飲みたいと思った場合、紅茶飲料で名前が知れている商品を真っ先に思い浮かべることが、イメージ品質が優れている例です。有名ではない企業が紅茶飲料を販売していても、すでに名前が知れている商品より先に思い出される可能性は低いでしょう。

上記のように、商品やサービスのイメージが明確になっていることは、商品やサービスを販売する場合の大きなアドバンテージになります。

2.イメージ戦略に取り組むメリット4選

世界的に成功している企業では、イメージ戦略をしっかりと実行しているケースがほとんどです。また、中小企業やスタートアップの会社にとっても、お客様に選ばれる会社になっていくためにも、イメージ戦略に時間やコストをかけることは非常に重要です。

ここでは、イメージ戦略によって得られる4つのメリットを紹介します。

2-1.他社との差別化が図れる

イメージ戦略により、他社との差別化を図ることができます。ブランドのイメージが定着していると、同じ業界内で新商品が発売されたとしても、企業のファンは新しいものや他のものに手を出そうとしません。

また、自然と特定の商品を思い出してもらえることもメリットです。「おいしい水といえば〇〇」のように、企業が販売する商品名が自然と浮かぶ状態は、すでに他社との差別化が図れていると言えます。

2-2.優秀な人材確保につながる

イメージ戦略によって企業価値が高まると、「この企業で働きたい」と思う人が増えます。求職者が増えれば増えるほど、有能な人材も集まることが期待できるため、優秀な人材確保につながるでしょう。

また、高いブランドイメージが浸透すると、ブランドの魅力や安心感に惹かれて取引を希望する企業が増えます。イメージ戦略がうまくいくと、優秀な人材だけでなく多くの企業ともつながることが可能です。

2-3.長期的な利益につながる

イメージ戦略から得られるメリットとして、長期的な利益につながるという点が挙げられます。ブランディングされた商品を一度気に入った人は、そのブランドの商品を継続的に買い続ける傾向があるためです。

他の新商品が出たとしても、商品自体の価値ではなくブランドイメージを基準に購入するため、ブランディングされた商品のファンが増えることで長期的な利益が見込めます。

2-4.質のいいお客さんを増やせる

イメージ戦略により、質のいいお客さんを増やすことも可能です。企業はお客さんになってほしい人のイメージを浸透させることで、ブランドイメージに共感してくれる人を増やせます。

ブランドのイメージに合致したお客さんは、商品がブランドイメージと大きくかけ離れていない限り、継続的に商品を購入してくれる質のいいお客さんになります。ブランドイメージに合ったお客さんの周辺にはブランドの情報が広がり、口コミの輪も広がっていくでしょう。

3.イメージ戦略に取り組む際の流れ

イメージ戦略に失敗しないためには、正しい手順に沿って取り組むことが大切です。イメージ戦略に取り組む際の流れは以下の通りです。

1 現状分析
商品が他社に比べて優位である点など、市場での現在の立ち位置を把握します。価格帯や品質、機能など競合他社との違いを明確にし、差別化できるポイントを分析しましょう。
2 ターゲット選定
ブランドが理想とするユーザーのターゲットを選定します。イメージ戦略において、ターゲット選定は最も重要なステップです。「若い人は全員おしゃれなものが好き」という決めつけは避け、現状分析した結果を基にターゲットの詳細を確立しましょう。ターゲットが決まると、ブランディングの具体的な手段が定まります。
3 コンセプト設定
自社の商品に対してどのようなイメージを持ってもらいたいか、ターゲットにどのような価値を提供したいかなど、コンセプトを決めます。現状分析やターゲット選定の分析結果をさらに深掘りし、商品ならではの価値を考えて設定しましょう。
4 戦略考案
集めたデータや立てたターゲット、コンセプトを客観的に見て、有効な打ち出し方を考案します。いつ、どこで、どのような手法で広めていくかを考えます。打ち出す媒体の候補は、看板やチラシ、テレビCMやSNSなどさまざまありますが、自社の戦略にあったものを選びましょう。

4.イメージ戦略の例3つ

ブランドイメージは顧客が企業に対して抱くイメージであるため、構築されるまでに時間がかかります。老舗企業の中には、ブランドイメージが深く定着している企業もありますが、そういった企業も長い時間をかけてイメージを浸透させてきました。

ここでは、イメージ戦略の例を3つ紹介します。

4-1.コカ・コーラ

世界的に有名なコカ・コーラは、商品そのものに焦点を当てるイメージ戦略を取っていません。「嬉しくなって誰かと笑い合いたくなる魔法のような瞬間」といった、商品を通して得られるワクワクする感情をメッセージとして打ち出す戦略を取っています。

このようなメッセージによって、顧客はコカ・コーラが創り出す空間に高い価値を見出すようになりました。

参考:コカ・コーラ

4-2.スターバックス

スターバックスは、「人々の心を豊かで活力あるものにするために最高のスターバックス体験を提供する」という戦略を取っています。

実際にスターバックスで働く従業員は、一杯のコーヒーを通じてお客さんと誠実に向き合い言葉をかわしてきました。ロゴの入ったコップを持って街を歩くスタイルや、家でも職場でもないくつろげる場所の提案など、世の中の空気を敏感に読み取り新たな価値や文化を生み出しました。

スターバックスのブランドイメージに魅了された顧客は、価格に左右されずにスターバックスの雰囲気や居心地のいい空間に高い価値を見出しています。

参考:スターバックス「Social Impact」

参考:スターバックス「会社案内」

4-3.無印良品

無印良品は、演出が過剰気味だった他の商品とは対照的に、「非常にシンプルで無駄のない商品」というイメージ戦略を打ち出しています。他社との差別化を図り、質のいいお客さんを増やすことに成功しました。

「これがいい」ではなく「これでいい」という、理性的な満足感を持って選んでもらうことを大切にしています。「無印良品」と聞いて無駄を省いたシンプルな商品を連想させることで、その思いに共感した顧客は商品を買い続けるようになります。

参考:株式会社良品計画「無印良品について」

まとめ

企業はイメージ戦略に取り組むことで、他社との差別化を図れる上、長期的な利益の増加を見込めます。まずは企業や商品の立ち位置を把握し、ターゲット選定を行いましょう。「どのようなイメージを持ってもらいたいか」というコンセプトを設定できたら、イメージ戦略に成功している例を参考にしながら、具体的な戦略を考案してみてください。

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