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ブランディングサイトとは?制作手順から制作時のポイントまで
インターネットの普及にともない、今や多くの企業にとってWebサイトやSNSを利用したマーケティングが必要不可欠となりました。社内に専用部署やチームを設置する場合もあれば、制作から運用まで専門業者に一貫して委託するケースもあります。
企業が運用する代表的なWebサイトが、ブランディングサイトとコーポレートサイトです。当記事ではブランディングサイトの概要に加えて、制作するメリットを紹介します。制作手順なども併せて紹介するため、制作時はぜひ当記事の内容を参考にしてください。
1.ブランディングサイトとは?
ブランディングサイトとは、企業が自社商品やサービス、ブランドのイメージ浸透を目的として制作・運用するWebサイトのことです。商品やサービスの露出を増やし、自社ブランドの価値や存在の認知拡大を狙います。
訪れたユーザーに対して、企業が伝えたいイメージや世界観を体験してもらうことも、ブランディングサイトの目的の1つです。確固たるブランドイメージを確立するために、商品やサービスごとに独立したブランディングサイトを開設するケースがよく見られます。
1-1.ブランディングサイトとコーポレートサイトの違い
ブランディングサイトとコーポレートサイトは、制作・運用する目的が異なります。それぞれのサイトの目的は下記の通りです。
ブランディングサイト | ブランドを浸透させて購入につなげる |
---|---|
コーポレートサイト | どのような企業なのか伝える |
ブランディングサイトは特定の商品やサービス、ブランドによい印象を持ってもらい、購入につなげることが最終目的です。ブランドごとにターゲット層は異なるため、同じ企業が開設していても各サイトのデザインが類似しているとは限りません。
一方、コーポレートサイト制作の目的は、自社がどのような企業なのか伝えることです。会社概要や事業の詳細、主力商品や採用情報など、自社の企業活動に関する情報の網羅性を重視した構成となっています。
1-2.ブランディングサイトを制作するメリット
企業が商品やサービスごとにブランディングサイトを制作するメリットは複数あります。主なメリットは次の2つです。
ブランドの認知度向上 |
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ユーザーの購入の選択肢に自社を加えてもらうためには、自社の名前やイメージが認知されていることが前提条件です。個別のブランディングサイトを制作することによって、特定の商品やサービス、ブランド全体の認知度向上が期待できます。 |
ブランドイメージの定着 |
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「このロゴマークはあの商品」のように、企業と商品やサービスを紐付けて覚えてもらうことも重要です。ブランディングサイトで視覚的にアピールすると、ロゴやコピーなどさまざまな要素によってブランドイメージの定着を図れるでしょう。 |
ブランディングサイトで商品やサービスについてよい印象を持ってもらえると、販売サイトに直接誘導して購入を促すこともできます。
2.【STEP別】ブランディングサイトの制作手順
ブランディングサイトを制作するときは、事前の準備が重要です。安易におしゃれなデザインを取り入れても、ブランド価値のイメージ路線に合わなければユーザーへの浸透は期待できません。
ここでは、事前準備を含めたブランディングサイトの制作手順について、4つのステップを紹介します。
2-1.【STEP1】ブランドイメージを決める
ブランディングサイト制作における事前準備の1つが、ブランドイメージの明確化です。どのようなブランドにしたいのか、ユーザーにどのようなイメージを持ってほしいのかといった方向性を固めます。
たとえば食品やアクセサリーの場合、ブランドで表現したいイメージ例は下記の通りです。
- 高級感を出したい
- 安全性・安心感を強調したい
- 天然素材使用を伝えたい
ユーザーに企業と商品やサービスを結び付けて覚えてもらいたい場合は、企業イメージとの親和性も重視しましょう。独自の優位性を押し出し、競合他社の類似商品やサービスとの差別化も考慮する必要があります。
ポイントは、実際の商品やサービスに近いブランドイメージを決めることです。実物とかけ離れたブランドイメージは、ユーザーの混乱を招くことにつながります。
2-2.【STEP2】サイトのビジュアルを決める
ブランディングサイトのビジュアルも、事前準備として決めておきましょう。ユーザーに伝えたい商品やサービス、ブランドの魅力が伝わりやすいデザインを意識します。
全体のレイアウトや写真、配色のバランスなど、具体的にイメージできるよう設計することが重要です。ロゴやキャッチコピー、アイコンも盛り込み、一目でユーザーがブランドのイメージを理解できるようにデザインします。
2-3.【STEP3】ブランド構築の体制を整える
ブランドイメージは複数の要素によって構築されます。たとえばブランディングサイトのデザインやテキスト、商品やサービスの情報、ブランドが持つストーリーなどです。他にも商品やサービスの品質、サポート内容、問い合わせた際の対応などがブランドイメージに影響する場合もあります。
商品はプレミアム感を演出していても、問い合わせ対応が低品質となればブランド全体のイメージが下がります。ブランドを構築するためには、複数の部署と連携を取りつつイメージを維持できる体制作りが重要です。
2-4.【STEP4】サイト完成後もPDCAを回す
ブランディングサイトも、他のWebサイトと同じく定期的に改善します。更新が長期的に行われなければ、獲得したユーザーの流出につながります。
効果測定を行い、課題の洗い出しや改善によってユーザーの定着を促しましょう。競合サイトを分析して差別化を図る他、新商品発売やシーズン到来に合わせてデザインを一新するなど、新鮮さを感じられるサイト作りが求められます。
ユーザー動向やクレームを参考にした、UIの改善も重要です。どのような問題や不便があるか、どのような施策で効果が表れたのかなどを確認し、定期的にPDCAを回すことでブランディングサイトの効果が高まるでしょう。
3.ブランディングサイトを制作する際のポイント
ブランディングサイトの制作にあたって押さえたいポイントは、以下の3つです。
ターゲットを明確にする |
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ブランディング効果を高めるためには、年齢や性別、居住地域や年収など、複数の要素でターゲットを明確にすることがポイントです。具体的なターゲット像が固まれば、デザインやコンテンツも作りやすくなります。 |
ユーザーに親切なサイト設計を心掛ける |
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ブランディングサイトは、分かりやすく利用しやすいサイト設計を心掛けることも重要です。各ボタンはクリックやタップしやすい大きさ・位置にあるか、問い合わせフォームは入力しやすい項目かなど、細部も確認しましょう。 |
自社特有の強みを全面的に打ち出す |
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取り扱う商品やサービス、ブランディングサイトのデザインなど、競合サイトと類似している部分が多い場合は混同される可能性があります。対策として顧客満足度や商品の魅力的な機能、デザイン、成分など、競合商材にはない強みを全面的に打ち出して差別化を図りましょう。 |
ブランディングサイトは、ユーザーが「自分にメリットをもたらしてくれる」と感じられる設計を重視することが大切です。デザインやコピーはもちろん、伝える情報も精査されたブランディングサイトが求められます。
4.ブランディングサイトの事例2選
ブランディングサイトの制作で悩んでいる際は、他社の事例を参考にすることも1つの方法です。ここでは、実際に運用されているブランディングサイトを2つ紹介します。
資生堂「ANESSA」の事例 |
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化粧品メーカー資生堂のケアアイテム「ANESSA」のブランディングサイトは、縦長のデザインが特徴的です。太陽のロゴが特徴的な商品にちなんで、ブランディングサイトも太陽や夏空を思わせるデザインに仕上がっています。 日焼けのメカニズムや紫外線に関する情報発信など、紫外線ケアに注力してきたブランドならではの自信が伝わるコンテンツも豊富です。 |
参考:https://www.shiseido.co.jp/anessa/
ニューウェルブランズ・ジャパン合同会社「GRACO」の事例 |
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ベビー用品をメインに取り扱っている「GRACO」のコンセプトは、「家族、もっと楽しく!」です。ブランディングサイトもコンセプトに合ったデザインが取り入れられており、自社商品を楽しそうに使いこなすモデルの写真を数多く使用しています。 主力商品の写真を通じて、ユーザーが実際に使用している姿をイメージしやすいデザインです。 |
どちらのサイト事例も、画像をメインとしたトップページが特徴的です。バナーやボタンの位置や遷移先など、デザインの各所でユーザーに優しい配慮がうかがえます。
まとめ
ブランディングサイトは商品やサービス、ブランドのイメージを伝えることが目的です。ブランドイメージを向上させ、商品購入やサービス利用を促す役割を担っています。
ブランド戦略通りにイメージを伝えるためには、ターゲットに合ったブランディングサイトが欠かせません。ターゲット層を明確化したり、自社の強みが伝わりやすい内容を精査したりなど、事前準備をした上で制作しましょう。事前準備を十分に行うことで、ブランドイメージを正しく反映させたブランディングサイトが完成します。
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