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トップダウンとボトムアップの意味は?メリット・デメリットも解説!
会社を経営する中で耳にするビジネス用語としてトップダウンとボトムアップがあります。どちらも企業の意思決定方法を表す言葉ですが、それぞれに取り入れるメリットとデメリットが存在します。
当記事では、「自社にどちらが合うのか分からない」と悩んでいる人に向けて、「トップダウン」「ボトムアップ」の言葉の意味と、メリット、デメリットを解説します。また、会社をよりよい組織にするために意識したいポイントについても説明するので、参考にしてください。
1.トップダウンとは?意味と仕組み
トップダウンとは、社長や会長などの経営者個人や、限られた人数の上層部が意思決定者となり、企業経営の意思決定を行うスタイルです。日本語では「上意下達」と表現し、トップが決定事項を現場社員に指示します。
トップダウンは「ワンマン経営」と言われることもあり、否定的な見方をされやすいですが、生産性を上げるためには非常に有効な方法です。ここでは、トップダウン型組織のメリットとデメリットについて詳しく解説します。
1-1.トップダウンのメリット3つ
経営者がすべての意思決定を行っていることがトップダウン型の特徴のため、以下のようなメリットがあります。
意思決定のスピードが速い | 意思決定に関わる人が限られるためプロセスが少なく、意思決定から行動に移すまでの時間を短縮できます。 |
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一体感が生まれる | 意思決定を行う経営者を全体で支えるような組織体制になり、組織全体に一体感が生まれやすいです。 |
急成長できる可能性がある | 先見性のある経営者がトップにいる場合、思い切った経営判断で一気に会社を成長させることができます。 |
1-2.トップダウンのデメリット3つ
トップダウン型の意思決定では、リーダーシップのある経営者自身に裁量権があることでさまざまなメリットを得られます。しかし、トップダウンは決定権を経営者に集中させることになるため以下のようなデメリットが生じる可能性があります。
従業員からの反発が生じる | 経営者が現場の声を無視した決定ばかりしていると、従業員からの反発が生じます。トップダウンでは、経営者と現場の社員の間に信頼関係が必要です。 |
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大きな損失を負う可能性がある | 経営者の判断ミスが、会社の損失につながることがあります。 |
指示待ちの人間が増える | トップの意志を最優先する癖がつき、自分で考えられない社員が増える可能性があります。また、現場判断が許されない風潮ができてしまう場合もあります。 |
2.ボトムアップとは?意味とトップダウンとの違い
ボトムアップとは、現場の社員に裁量があり、現場で生まれる意見を経営側が取り入れる形で意思決定を行うスタイルです。日本語では「下意上達」と表し、現場の声を生かした組織運営が可能です。
近年、社員の価値観も多様化しているため、社員の意見を尊重するボトムアップ型を取り入れようとする会社も増えています。ここではボトムアップ型組織のメリット・デメリットについて詳しく解説します。
2-1.ボトムアップのメリット3つ
ボトムアップ型の意思決定は、社員一人ひとりが声をあげられるため、以下のメリットがあります。
現場の状況が反映されやすい | 現場の意見をもとに経営方針を決めるため、現場の課題をスムーズに解決できます。また、現場は顧客と関わることも多く、売上に直結するアイデアも出やすいです。 |
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チームの士気が高まる | 現場の社員にとっては、自分の提案が会社を動かすことにつながるため、働くモチベーションになります。また、自由に意見できる雰囲気はハラスメント防止にもつながります。 |
いいアイデアが生まれやすくなる | 現場に優秀な人材が多いと、さまざまなアイデアが生まれやすく、業務改革が起きやすいです。 |
2-2.ボトムアップのデメリット3つ
現場社員の声を聞き、コミュニケーションを取ることに重点を置くボトムアップ型では、以下のデメリットが考えられます。
意思決定の時間がかかる | 現場の声が経営陣に届くまで時間がかかるため、意思決定のスピードも遅くなります。 |
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従業員の能力に左右される | 現場に優秀な人物がいないと、いい意見を取り入れられず、会社の経営が間違った方向に進んでしまいます。 |
全体像の把握が難しい | 現場の声を元にしているため、広い視野の意見が少なくなりがちで、会社全体を俯瞰する視点が欠ける危険性があります。 |
3.トップダウン・ボトムアップの効果を高める!意識したいポイント
トップダウン・ボトムアップのどちらの意思決定スタイルを取り入れる場合でも、メリットとデメリットは存在します。また、どちらのスタイルを採用したとしても、会社を良くするためには実際に現場で働く社員の声に耳を傾けることが重要であると言えます。
ここでは、トップダウンとボトムアップ、それぞれのメリットを取り入れてより良い組織作りをしていく際の3つのポイントを紹介します。
3-1.トップダウン・ボトムアップが適しているケースを把握する
トップダウン・ボトムアップには、それぞれ適した状況があります。
たとえば、ベンチャー企業が急成長している時や、大きな事業改革を行おうとしている時、また外部環境が原因で経営環境が激変している時など、迅速な経営判断が求められる場合はトップダウン型の組織が適していると言えます。
他にも、単一の商品やサービスを提供している会社もトップダウン型が適しています。トップダウン型だと、マニュアル化した仕組みを会社全体に共有しやすく、スピード感を持ってサービスの提供ができるためです。
一方で、専門性が高かったり、複数の事業を抱えていたりする会社はボトムアップ型の組織を構築するのがいいでしょう。経営者1人、もしくは限られたトップ層が、すべての事業に対して適切な判断ができるほどの専門家になることは難しいためです。
また現場の目標設定など、現場の適切な情報が必要な意思決定では、ボトムアップ型が適しています。現場管理者のスキルが高く、自律的に行動できるのであれば、現場の状況や課題を的確に捉えた、より現状に合う判断をしてくれるでしょう。
トップダウン・ボトムアップのメリットとデメリットを把握し、シーンや会社の状況によって使い分けることが重要と言えます。
3-2.必要に応じて両方を組み合わせる
トップダウンとボトムアップを使い分けるやり方の他に、トップダウン・ボトムアップそれぞれの手法を組み合わせた「トップダウンデモクラシー」と言う意思決定手段もあります。
トップダウンデモクラシーでは、まずは経営者が新しいプロジェクトについて呼びかけ、さまざまな部署や立場の社員を集めます。現場は試験運用的にプロジェクトを進め、リスクや問題点を洗い出します。そこで見つかった課題を経営者が受け取り、改善法を検討しながら経営者が最終的に意思決定をします。
実際に意思決定を行うのは経営者ですが、現場の声をしっかり取り入れられるため、現場社員も会社の意思決定に関わることができる手法です。ただ、トップダウンデモクラシーは経営者と現場のやり取りが多く、最終決定まで時間がかかってしまい、緊急性が高い場面で行うには不向きです。トップダウンデモクラシーにもデメリットがあることを把握しておきましょう。
3-3.トップが強いカリスマ性を発揮する
トップダウン・ボトムアップ・トップダウンデモクラシーのいずれの場合でも、適したシーンと適さないシーンが存在します。意思決定方法の特徴を把握し、状況に合ったものを正しく選ぶことが重要です。
また、プロセスは異なっていても最終的な意思決定はどれも経営者が下します。社員が納得して経営者の決定に従えるようにするためには、「現場の声に耳を傾けること」「会社の目的や方向性を社員にきちんと伝えること」が必要です。
「経営者がどのような目的で組織を運営しているのか」「会社の目的に説得力はあるのか」という点を現場の社員は常に見ています。自分の考えや会社の方向性を正しく社員に伝え、ついてきてもらうためのカリスマ性は、会社を経営する上で必須と言えるでしょう。
まとめ
トップダウン・ボトムアップは意思決定の方法を意味しており、トップダウンは少数の上層部によって意思決定すること、ボトムアップは現場社員の声を取り入れて意思決定することを言います。それぞれにメリットとデメリット、適したシーンがあり、いずれの場合でも社員とよい関係を築き、よりよい組織を作るためには、常に現場社員の声に耳を傾けることが大切です。
意思決定手段にどの方法を取り入れるのかも、経営者の腕の見せ所です。適切な判断を積み重ね、会社をよりよい組織にしましょう。
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