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ブランディングを行う効果は?効果測定の方法についても解説
企業や商品・サービスのイメージを定着させると、売上や社内環境にさまざまなよい効果が生まれます。ブランディング戦略は効果を数値的に測ることが難しいものの、売上や社員のモチベーションに変化が表れるケースも多いです。
当記事では、ブランディングを行う効果と、ブランディングの効果測定の仕方について解説します。ブランディングの効果が実感できていない場合は、戦略に問題があるのかもしれません。効果や測定方法を知り、適切なブランディングを行えるようにしましょう。
ブランディングに期待できる効果とは?
ブランディングとは、企業や商品に対するよいイメージを世の中に広めていくことです。ブランディングにより商品に対して強く感情移入させると、長く愛される企業や商品、サービスを作れます。
ブランドとブランディングの言葉は似ていますが、必ずしも「ブランド品」という言葉から連想するような高級なイメージを広めるわけではありません。消費者に「安くてかわいい服と言えばあの店」「お茶ならあの商品を買えば、品質は間違いない」などのイメージを持たせることがブランディングです。
ここでは、ブランディングを成功させるとどのような効果があるのかを具体的に説明します。
知名度が上がる
ブランディングを行う過程では、自社商品だけの強みや価値をアピールするため、自社が取り扱うのがどのような商品なのかを世の中に知らせることができます。
顧客はお金を消費して商品やサービスを利用するため、「買う価値があるか」を判断基準に商品の購入を検討します。無名の商品だと品質が分からず、安心や購入するメリットを感じにくく、購入にはなかなかつながりません。
ブランディングは知名度だけでなく、「個装されたチョコレートのお菓子と言えば〇〇」といった認知度も向上させられます。顧客は知っている馴染み深い商品に好意を抱くため、購買する機会も増えるでしょう。
リピート率が上がる
ブランディングをすると顧客に商品への愛着や特別な感情を抱いてもらえます。
もし新商品が発売された場合、これまで使っていた商品に特別な思い入れがない限りは新しい商品を試してみようと思う人もいるでしょう。しかし、現在使っている商品に愛着があれば、簡単に新しいものに手を出すことなく、これまで通りの商品を使い続けてくれます。
リピート率はビジネスにおいてとても重要です。リピーターの重要性を示す数字として、「1:5の法則」と「5:25の法則」があります。
- 1:5の法則
新規顧客を増やすためにかかる費用は、既存顧客に販売する費用の5倍かかる - 5:25の法則
顧客離れを5%防ぐことで、25%の利益が上がる
新規顧客を増やすには多くの費用がかかるため、いかに顧客離れを防ぐかが売上を伸ばす鍵です。また、リピーターは商品だけでなく販売する企業そのものも信頼してくれる傾向があり、高単価な商品も購入してくれるケースが多々あります。
広告宣伝費を抑えられる
商品に特別な思い入れや愛着を持ってもらうことで、顧客が商品やサービスを選んでくれるため、企業側は必要以上に広告を出さなくても売上が見込めます。
広告にお金をかければ売上の増加が見込めるかもしれませんが、それは一時的な売上である場合が多く、広告をやめると商品を売り続けることは難しいでしょう。一方、ブランディングは知名度自体を上げ、顧客離れを防ぐことが可能であり、広告宣伝費にコストをかけすぎずに長期的な売上を確保できます。
売上増加がねらいの広告ではなく、ブランディングのための広告を出すのも、ブランディング戦略の1つです。あらかじめブランド力を高めておくことで、必要最小限の広告で売上を伸ばせます。ただ売上のために購入を促すのではなく、顧客に商品の好意的なイメージを持たせるのが大切です。
優秀な人材を採用できる
企業ブランドのイメージを向上させてファンを増やし、優秀な人材を採用することを目的にするのが採用ブランディングです。
採用活動に特化したブランディングが存在する背景には、求職者数よりも求人者数が上回る売り手市場が原因として考えられます。中小企業だけでなく、どの企業も人材獲得には苦労しています。
採用ブランディングのメリットは以下の通りです。
- 企業の認知度向上
- 採用コストの削減
- 応募者数の増加
- 入社後の定着率向上
企業の職務内容や環境などをオープンにし、ブランディングを行うと、内定辞退を防いだり、多くの人に応募してもらえたりするメリットがあります。ただ、ブランディング効果を実感するまでには、一定の期間がかかることを認識しておきましょう。
従業員のモチベーションが上がる
従業員に向けて自社の企業理念や価値、今後のビジョン、目標を達成するための施策などについて認識してもらうことをインナーブランディングといいます。
インナーブランディングのメリットは以下の通りです。
- 離職率の低下
- モチベーションの向上
- 満足度の向上
- 企業の評判が向上
企業理念や目標を積極的に従業員へ周知すると、企業に愛着を抱いてもらえ、モチベーションや満足度の向上につながります。インナーブランディングは社内にポスターを掲載したり、社員向けの会社情報サイトを制作したりすることで行えます。ただ、企業のビジョンが明確でない、理念に共感できないなどの理由で人材が流出するケースもあると覚えておきましょう。
ブランディング効果を測定するには?
ブランディングにはさまざまな効果があるものの、実際の効果を計測することは簡単ではありません。ブランディングのねらいは認知度の向上や愛着を抱いてもらうことであり、数字として表れにくいものです。
ブランディング効果を把握するためには、ブランド認知度とブランドロイヤリティの2つを計測することが大切です。ここでは、ブランド認知度とブランドロイヤリティの測り方について詳しく説明します。
ブランド認知度を測る
ブランド認知度の調査方法は、調査会社に依頼してインターネット上でアンケートをとる方法が主流です。調査を行う際は、年齢層やライフスタイルなどの対象者を絞り、何を知りたいかをあらかじめ設定しておきましょう。
また、インターネット以外にも、郵送や街頭での調査、日経新聞の「日系企業イメージ調査」を活用する方法などもあります。
ブランディングを行っているのに認知度が低いままである場合は、戦略に課題があるのかもしれません。修正を重ね、より効果的なブランディング戦略を練る必要があります。ただ、ブランド認知度の調査方法によって数値に多少のバラつきが生じることを理解しておかなければなりません。
ブランドロイヤリティを測る
ブランドロイヤリティとは、特定の商品に対して愛着を抱いているかどうかの度合いのことを言います。
ブランドロイヤリティが高いと、顧客は同じような商品が販売されていたとしても特定の商品を購入し続ける傾向が見られます。自社製品のブランドロイヤリティを高めると、他者との価格競争や広告を重視せずに売上の成果を出すことが可能です。
ブランドロイヤリティを測定する方法は以下の2種類です。
- NPS=「ブランドを他の人におすすめしたいと思うか」の指標
他の人におすすめしたい度合いを0~10の11段階で調査し、おすすめしたいと思うグループからおすすめしたいと思わないグループを差し引いた数値からブランドロイヤリティを測ります。 - DWB=「商品を購入したいと思うか」の指標
「絶対に買いたくない」から「絶対に買いたい」までの5段階評価で調査し、「絶対に買いたい」と答えた人の割合でブランドロイヤリティを測ります。
ブランドロイヤリティを高めるには、消費者のニーズを満たした商品を提供したり、ユーザー向けのコミュニティサイトを作成したりするなどの工夫が必要です。
まとめ
ブランディングを行うと、自社や商品・サービスの知名度や認知度を向上させられます。知名度や認知度が上がることで、広告宣伝費を抑えられたり、顧客のリピート率が上がったりと、売上を増やす効果が見込めます。同時に自社の特徴や理念を表立って打ち出すのは、優秀な人材の確保にも効果的です。
ブランディングの実施にはさまざまなメリットがあるため、ブランド認知度やブランドロイヤリティを計測しながら、ブランディング戦略を行っていくことが大切です。
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