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個人ブランディングとは?メリット・デメリットと取り組む際の流れ
個人事業主や個人の技能が重視される仕事をしている人にとって、個人単位のブランディングに取り組むことは非常に重要です。お客さんに認知され自分を選んでもらうためにも、個人のブランディングに積極的に取り組みましょう。
当記事では、個人ブランディングの概要や個人単位のブランディングに取り組む必要性、メリット・デメリットについて解説します。個人がブランディングに取り組む際の流れや、ブランディングを成功させるためのポイントも併せて確認し、個人の価値を高めて売上アップを図りましょう。
1.個人ブランディングとは?
個人ブランディングとは、個人単位で取り組むブランディングのことを指します。
そもそもブランディングとは、企業の商品やサービスを「その企業ならではのもの」と世間に広く認知させて企業価値を高め、他社や同業者などと差別化するための取り組みです。個人ブランディングは、個人の知識・スキルを「商品」として位置付けて認知度を高め、仕事の依頼先として自分を選んでもらうためのマーケティング手法と考えてよいでしょう。
個人ブランディングは「セルフブランディング」「パーソナルブランディング」とも呼ばれますが、この2つの活動はブランディングする対象が異なることに注意が必要です。
◆セルフブランディングとパーソナルブランディング
・セルフブランディング
会社などの組織に所属していない個人(個人事業主やフリーランスなど)が行うブランディングです。組織に所属していないため、ブランディング方針はすべて自分で決めることになります。
・パーソナルブランディング
組織に所属している個人(会社員など)が、組織の価値を高めるために個人単位で行うブランディングです。すべてを自分で決定することはできず、組織の方向性に合わせて行う必要があります。
1-1.個人がブランディングをする必要性
ブランディングの主な目的は、ブランドの価値や認知度を高めてお客さんから選んでもらうことにあります。ビジネスにおいて「お客さんに選ばれること」は最も重要なことの1つです。どれほど品質やコスパの高い商品・サービスでも、お客さんに選んでもらえなければ事業の継続は難しいでしょう。
特に個人事業主やフリーランスの場合、お客さんからの指名・オファーがないと収入を得られません。自身の生計に直結するため、適切なセルフブランディングを行う必要があります。
一方で、組織の中で行うパーソナルブランディングは必須ではありません。しかし「経営者のカリスマ性が高い」などの場合は、パーソナルブランディングを行って企業マーケティングに生かすことも1つの方法です。「顔」が見えることで親近感や信頼感を高める効果もあるため、提供する商品やサービスによっては取り組む価値があると言えるでしょう。
1-2.個人がブランディングをするメリット・デメリット
個人がブランディングを行うことにはメリットも多い一方、デメリットの側面もあることに留意しましょう。
◆個人ブランディングのメリット
- お客さんからの信頼性・評判を高められる
- 人脈を広げられるチャンスが多い
- 価格競争による疲弊を避けられる(競争優位性が高い)
個人ブランディングの大きなメリットとして、自身の能力や専門スキル、発信する内容への信頼性が高まることが挙げられます。世間からの認知度や信頼度が高まれば、人的ネットワークも自ずと広がり、売上アップやブランド力の強化につなげられるでしょう。ブランドを確立できていれば、安易な価格競争による経営の疲弊を避けることもできます。
◆個人ブランディングのデメリット
- 個人が問題を起こした場合はブランド全体に悪影響が出る恐れがある
- パーソナルブランディングの場合、ブランディングを行った従業員が離職する可能性もある
個人ブランディングのデメリットを最大限抑えるためには、ブランディングを行う本人が高い倫理観を身につけ、公私ともに言動に気を付けることが大切です。また、離職の可能性がある従業員よりも、経営者や創業者をブランディングの対象として選ぶとよいでしょう。
2.【STEP別】個人がブランディングに取り組む際の流れ
個人がブランディングに取り組む際は、以下のような流れで進めることが一般的です。
◆個人ブランディングの基本的な流れ
- 【STEP1】自身の状況把握
- 【STEP2】ブランドイメージの設計・構築
- 【STEP3】マーケットの選定
- 【STEP4】情報発信
ここでは、個人ブランディングにおける流れを各ステップごとに解説します。
2-1.【STEP1】自身の状況把握
個人ブランディングに取り組む上で、自身の現状把握から始めることは非常に重要です。今までの経験や実績・経歴を振り返って整理し、業界における自分のポジショニングを評価してみましょう。
自分自身を評価しブランディングの方向性を定めるためには、「SWOT分析」を活用することもおすすめです。SWOT分析とは、内部環境と外部環境を分析することにより戦略を明確化するためのツールです。自分自身の価値(強みや弱み)だけでなく、外部要因(機会や脅威)を組み合わせた分析ができるため、周囲の状況を考慮した上で具体的な方向性・行動を決められるでしょう。
2-2.【STEP2】ブランドイメージの設計・構築
自身の強みや弱み、自身を取り巻く環境(市場機会や脅威など)を分析できたら、次にブランドイメージの設計と構築を行います。ブランドのターゲットや価値観・コンセプト、テーマ、ストーリーなどを考えましょう。
また、自分の専門性や肩書きを明確にすることも大切です。基本的には、ブランドのターゲットが見聞きした際に「この人は何をしている人物なのか」を認知しやすいベーシックな表現の専門分野・肩書きを設定するとよいでしょう。
2-3.【STEP3】マーケットの選定
個人ブランディングでは、「自分のやりたいこと」を考えるとともに、自身が必要とされるマーケットを選定することも大切です。個人ブランディングが単なる自己主張で終わらないよう、自分が提供できる仕事が相手から必要とされているマーケットを探しましょう。
また、自分が参入するマーケットに関する調査も不可欠です。見込み顧客の規模や収益の見込み、競合他社の存在などを踏まえた上で、個人ブランディングを進めましょう。
2-4.【STEP4】情報発信
自己分析からブランドの方向性や専門分野・肩書きが定まり、自分が戦うマーケットを選定できたら、そのマーケットに向けた情報発信を行い自分をアピールします。情報を発信する方法・ツール・戦略にはさまざまなものがありますが、まずは特定のターゲット層へのアピールがしやすいSNSを利用することを検討しましょう。
SNSはメディア(媒体)によって利用者層やコンテンツ形式などが異なるため、自分にとって相性のよいメディアを選ぶことが大切です。情報発信に集中するためにも、最初は発信媒体を1つに絞ってマーケティング活動を進めましょう。
3.個人がブランディングを成功させるためのポイント
個人がブランディングを成功させるためには、自分が活動するマーケットで「広く」「長く」認知される機会をつくることが重要です。以下の2つのポイントを押さえた上で個人ブランディングに取り組み、ビジネスを成功に導きましょう。
◆個人ブランディングを成功させる2つのポイント
・分かりやすい言葉を使用する
世間一般に広く情報を発信する場合、専門用語ばかりを使用すると伝えたい内容がうまく伝わらない可能性があります。なるべく分かりやすく平易な言葉遣いを心がけましょう。
・継続的に情報を発信する
ブランディングは短期決戦で成功するものではありません。なるべく多くのターゲットに情報を届けられるよう、定期的かつ継続的に発信・投稿することが大切です。
3-1.個人のブランディングで必須のツール2選
個人ブランディングでは、有効なツールを上手に活用することも重要です。たとえば、初対面のお客さんに対して渡す名刺も大切なブランディングツールと言えるでしょう。お客さんに与えたいイメージを表すデザイン・肩書きなどで、印象に残る名刺を作成しましょう。
また、仕事の依頼へと誘導するための「ポートフォリオサイト」も必須のツールです。SNSやブログなどの集客メディアからポートフォリオサイトに誘導し、案件獲得へとつなげましょう。
まとめ
個人ブランディングとは、個人の専門知識や技術などを「商品」として捉えた上で、個人単位の価値や認知度・信頼度を高めるためのブランディング手法を指します。個人ブランディングでお客さんに選ばれるようになれば、人脈が広がったり価格競争を避けたりできるため、売上拡大やブランド力のさらなる向上も見込めるでしょう。
個人ブランディングを進める上では、自身の状況把握やブランドイメージの構築、マーケット選定、分かりやすい情報の継続的な発信が重要となります。名刺やポートフォリオサイトなどのツールも活用し、個人のブランドづくりとビジネスの成功を目指しましょう。
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