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定着率が低い会社は危険?よくある特徴と対処法など徹底解説

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定着率が低い会社は危険?よくある特徴と対処法など徹底解説

定着率は、職場の働きやすさや企業の健康状態を知る上で、重要な指標です。定着率が高いと、さまざまなメリットがあることから、企業では定着率を高める施策が打たれています。

そこで今回は、定着率とは何か、定着率を高めることのメリットを紹介した上で、定着率が低い会社の特徴やそれぞれの対処法にも触れていきます。従業員に少しでも長く働いてもらいたいと考える人は、当記事を参考に定着率向上のための対処法を検討してください。

1.定着率とは?離職率との違いと計算方法

定着率とは、企業に入社した人が、どの程度の割合で定着しているかを示すものです。離職率とともに、職場の働きやすさや企業の健康状態を知る上で重要な数値となっています。

定着率は、下記の計算方法で算出可能です。

定着率(%)=(一定期間勤続した従業員数)÷(起算時に勤めていた従業員数)×100

この「一定期間」とは、企業によってさまざまですが、企業の年度初日から1年間と定める場合が多いです。一方、離職率を提示する企業も多く存在します。離職率とは、一定期間内の離職者数の割合を示すもので、100%から定着率を引くことで算出できます。

定着率が高く離職率が低い企業では、職場環境が整備されており、従業員満足度も高いと言えるでしょう。一方、定着率が低く離職率の高い企業は、従業員の入れ替わりが激しく、企業の安定的な成長が見込めない可能性があります。

1-1.定着率の現状

日本における定着率の平均はここ15年ほぼ横ばいの状況ですが、近年、企業では、リテンションマネジメントなど定着率を上げるための運動が進んでいます。

令和2年度においては、平均離職率が14.2%であることから、定着率は85.8%と算出されます。雇用契約別に結果を見ると、一般労働者の定着率が89.3%であることに対し、パートタイム労働者の定着率は77.8%と低いです。

産業別に結果を見ると、鉱業や電気・ガス供給業といった専門的な業界では定着率が高い一方、飲食店などサービス業の定着率は低いです。このように、パートタイム労働者・アルバイトの割合が多くなりやすいサービス業は、総じて定着率も低くなることが推測されます。

出典:厚生労働省「-令和2年雇用動向調査結果の概況-」

1-2.定着率を高めることのメリット

定着率を高めるには、企業にとって多くのメリットが存在します。ここでは、定着率を高めることの代表的なメリットを3点紹介します。

  • 採用活動・従業員教育のコスト低減
    採用活動や新人教育は、企業の中でも大きなコストがかかる分野です。定着率が高まることで、採用コスト・教育コストの削減だけでなく工数削減にもつながります。
  • 労働生産性の向上
    定着率を高めると、勤続年数が長くスキルをもった人材が増えるため、労働生産性の向上に直結するでしょう。
  • 従業員満足度の向上
    不必要なコストを低減し、従業員に投資することで、職場に対する不満が解消されやすくなります。

2.定着率が低い会社の特徴5選|それぞれの対処法も

定着率が低いと、定着率を高めることのメリットを得られないだけでなく、企業のイメージダウンにつながるというリスクもあります。すぐに従業員が辞めてしまうというイメージがついてしまうと、新規人材採用にも影響を与えかねないでしょう。

定着率が低い企業には、いくつか共通点があります。ここでは、定着率が低い企業によく見られる特徴を対処法と併せて紹介します。

2-1.労働環境が悪い

人材定着に最も直結していることは労働環境でしょう。休日が少ない、残業時間が多いといった労務環境が悪い場合は、より労働環境のよい企業へ人材が流出してしまいます。また、長時間勤務などのストレスも離職理由となりえるため注意が必要です。

・対処法

まずは、業務の中で必要なものと不必要なものを分別し、早急に業務効率を見直しましょう。それでも労働環境の改善が進まない場合は、外部サービスを導入したり、仕事を一部委託することもおすすめです。

2-2.人間関係が十分に構築されていない

離職の代表的な理由として、人間関係の不満が挙げられます。背景には、上司や同僚など、ともに働く人との人間関係が十分に構築されていないという要因があります。「上司が高圧的である」、「仕事を教えてもらえない」といった分かりやすい人間関係の不満がなくても、従業員同士のコミュニケーションが少ないと雰囲気が悪くなる傾向があるため、注意が必要です。

・対処法

まずは、社員同士のコミュニケーションを円滑にすることから始めましょう。特に、直属の上司と部下との関係性は重要です。モチベーションが維持できているか、業務に悩んでいることはないか等、細かいことでもコミュニケーションをとるよう心掛けましょう。

2-3.福利厚生が整っていない

企業で働く上で、給与と同等に重要なものが福利厚生です。福利厚生の中には、住宅手当や家族手当等も含まれており、生活資金に直結します。福利厚生が整っていないと、従業員満足度の低下につながり、結果的に離職してしまうケースも多いです。

・対処法

福利厚生は、社会保険をはじめ、住宅手当や通勤手当、社員食堂の利用などさまざまなものが含まれています。一度に大きく改善することは難しいため、他の企業に比べて明らかに足りておらず、従業員満足度にも寄与する項目から見直しを始めましょう。

2-4.人材育成が十分にできていない

企業で働く上で、成長機会が与えられることや業務スキルが向上することも重要視されています。研修制度等が整っていなかったり、業務に対する指導が少なかったりすると、人材育成が進みにくいです。結果的に、従業員が成長を感じられず離職してしまうこともあるでしょう。

・対処法

指導を受ける人によって指導方法が異なると、正しい指導は何か迷ってしまいます。まずは、業務に対する指導方針を決定し、指導方法を統一しましょう。新卒社員に対して行う研修プログラムも有効です。従業員が業務の進め方に悩むことが減るよう心掛けてください。

2-5.従業員のエンゲージメントが低い

労働環境や福利厚生の整備、人材育成プログラムの構築など課題に対する対策も重要ですが、従業員のエンゲージメントが低いと、働き続けてはくれません。仕事に対してやりがいを感じ、自分が企業に貢献できていると思ってもらえないと離職につながってしまうでしょう。

・対処法

まずは、企業側のビジョンや経営方針を共有し、従業員に理解してもらうことが大切です。従業員が同じ目標に向かって働くことで強いチームワークを得られます。また、従業員に対し、透明性のある評価制度で評価することもやりがいにつながるでしょう。

3.定着率を高めるために押さえたいポイント2つ

ここまで、定着率が低い会社の特徴と対処法を紹介しました。しかし、課題に対し、1度対処を講じただけでは、定着率アップは見込めません。そこでここからは、定着率を継続して高めたい場合に重要なポイントを2つ紹介します。

  • PDCAサイクルを回す
    PDCAサイクルとは、「Plan(計画)→Do(実行)→Check(確認)→Action(改善)の順番で課題解決を進めることです。定着率を向上するために必要な課題を細分化し、それぞれの項目でPDCAサイクルを回すことで、解決策が洗練されるでしょう。PDCAサイクルを回す際は、時間配分を設定しておくことが重要です。期限に合わせてステップを進めることで効率よくPDCAサイクルを回すことができます。
  • 時代に合う組織運用を心掛ける
    定着率を向上させるためには、時代に合わせて組織運用することも重要です。時代が変化すると、環境だけでなく、人も変化します。時代の変化を掴み、柔軟に変化を受け入れ、組織の運用に生かすことで、従業員の会社離れを防ぐことができるでしょう。

まとめ

定着率とは、一定期間の間企業に定着してくれた従業員の割合を示し、離職率と並んで、企業の働きやすさや健康状態を知る指標となっています。定着率を高めることで労働生産性の向上や従業員満足度の向上などさまざまなメリットが得られるでしょう。

ここでは、定着率が低い会社の特徴や対処法について紹介しました。定着率を高めるためには、離職が増えている要因を分析することが重要です。より正確な分析を求める場合は客観的な視点を加えると良いでしょう。

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