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ミッションビジョンバリューはどう作る?作り方と注意点などを解説!
ミッションビジョンバリューは、企業としての目標や方向性、大切にしたい価値観を表す重要な指針です。多くの企業では社外周知のためホームページに掲載していますが、ミッションビジョンバリューではなく「経営理念」や「行動指針」と記載があるケースも少なくありません。
当記事では、ミッションビジョンバリューの概要と経営理念・行動指針との違い、ミッションビジョンバリューの作り方や注意点もあわせて解説します。これから起業を考えている人は、ぜひ参考にしてください。
1.ミッションビジョンバリューとは?
ミッションビジョンバリューとは、企業の経営方針や存在意義などを示す指針です。それぞれの詳しい定義は、以下のとおりです。
ミッション | 企業の存在意義や社会の中で実現したい目標などの不変的な指針を表します。ミッションを見れば企業としての考え方や使命が伝わるような内容となっています。 |
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ビジョン | 企業の理想像・未来像を示す中長期的な目標です。ビジネス環境の変化に伴って見直されたり、達成期限が設定されたりするケースもあります。 |
バリュー | ミッション・ビジョンを達成するための行動指針や価値基準です。バリューは行動に移すことが重要であるため、より具体性の高い内容となります。 |
ミッションビジョンバリューの作成により、従業員全員が同じ価値観のもとで業務に取り組めます。企業活動を続ける中で壁にぶつかっても進むべき道を示してくれる、いわば羅針盤のような役割を果たしています。
1-1.経営理念・行動指針との違い
企業のホームページでよく目にする「経営理念」や「行動指針」は、ミッションビジョンバリューと同じ意味として使われることもあります。
経営理念とは、経営活動をする上で大切にしている考え方や目標です。内容によってミッションやバリューと同じ意味になります。
行動指針とは、経営理念の実現に向けて取るべき具体的な行動を表します。バリューと同じ意味で使われることが多く、両者に明確な違いはありません。
それぞれ言葉の使い方には厳密なルールがないため、各企業の目標や指針に合う言葉の組み合わせを見つけるのがよいでしょう。
1-2.ミッションビジョンバリューを作るメリット
ミッションビジョンバリューを作るメリットは、以下の3つです。
- ●社内の意思決定にブレがなくなる
- ●従業員のモチベーションアップにつながる
- ●採用活動にも役立つ
ミッションビジョンバリューの設定によって企業の目指すべき姿や社会における役割などが明確になることで、日々の会議でもゴールを見失わずに意思決定ができます。
目標や行動指針が確立されていれば組織としての結束力も高まり、前向きに業務に取り組めるでしょう。やりがいを感じながら働けることにより、従業員のモチベーションアップや離職率の低下にも期待できます。
また、採用活動において自社の理念に共感してもらえる人材を探すには、企業として大切にしている考え方・価値観を伝えることが重要です。ミッションビジョンバリューを作っていれば、その内容を紹介することで同じ価値観を持つ人材を採用できます。
2.【STEP別】ミッションビジョンバリューの作り方
ミッションビジョンバリューは、起業するタイミングで決めるのがおすすめです。自社の根幹となる考え方を早くから明確化することで、事業が軌道に乗るまでの間に問題が起こっても適切に対処できるでしょう。
ここでは、ミッションビジョンバリューの作り方を詳しく解説します。
2-1.【STEP1】PEST分析や3C分析をする
PEST分析とは、Politics(政治)・Economy(経済)・Society(社会)・Technology(技術)の4つの側面からマクロ環境の分析を行うフレームワークです。
また、3C分析とは、Customer(顧客)・Competitor(競合)・Company(自社)の3つの観点から市場環境や経営戦略を分析するフレームワークです。
企業の担う役割や目標を決める第一歩として、社会課題を探ることは欠かせない作業です。PEST分析で業界・ターゲットを取り巻く環境を深掘りして、3C分析でターゲットのニーズや競合の取り組みについて知ることで、自ずと目指すべき姿が見えてくるでしょう。
2-2.【STEP2】プロジェクトメンバーでアイデアを出し合う
ミッションビジョンバリューを決めるためのメンバーを選出したら、まずは各々で大切にしたい価値観や目標について考えます。具体的な文言に落とし込む必要はないため、大まかなニュアンスやキーワードをいくつか書き出しておきましょう。
プロジェクトメンバーで集まってアイデアを出し合ったら、似ている内容や同じ意味を持つ案をグループ分けします。複数のアイデアを比較したり掛け合わせたりしながら、企業として大切にすべき理念を決定しましょう。
2-3.【STEP3】ミッション→ビジョン→バリューの順番に決める
ミッションビジョンバリューを決める際には、決定する順番も重要となります。
ミッションは企業にとって最も重要な価値観であり、ビジョン・バリューを決めるための大元となる概念です。まずはミッションを決定し、ミッション実現に向けての中長期的な目標としてビジョンを検討しましょう。バリューは目標達成に向けての具体的な行動規範であるため、ミッション・ビジョンを明確化してから最後に決める必要があります。
また、ミッションビジョンバリューの決定は経営者が中心となって行うことが多いですが、バリューで定められた内容を実際に行動に移すのは従業員たちです。ミッション・ビジョンを決めたら、バリューはボトムアップ形式で従業員の意見を取り入れながら決めるのがよいでしょう。
2-4.【STEP4】社内外に周知する
ミッションビジョンバリューが決定したら、社内だけでなく社外に対しても積極的に周知するのが重要なポイントです。
ミッションビジョンバリューを社内に浸透させるには、人事評価制度に取り入れる方法が効果的です。従業員は日々の業務の中で自然と目標を意識し、達成に向けて自ら行動を起こすようになるでしょう。
また、企業のホームページなどにミッションビジョンバリューを提示することで、取引先や求職者に向けて自社理念をアピールできます。ミッションビジョンバリューの社外への周知により、理念に共感してもらえる企業との取引や、同じ目標を追いかけて働ける人材の確保も期待できるでしょう。
3.ミッションビジョンバリューを作るときの注意点3選
ミッションビジョンバリューを作るときの注意点として、以下の3つが挙げられます。
- ●経営に携わる全員で決める
- ●じっくりと意見をすり合わせて決める
- ●言葉選びに注意する
ミッションビジョンバリューをただ定めるだけでなくしっかりと機能させるには、まずは経営陣全員が納得できる内容であることが大前提となります。一人ひとりの思いや志をくみ取ったミッションビジョンバリューを決定するため、必ず経営に携わる全員で会議を行いましょう。
また、一度の会議で決めようと急ぐのではなく、時間をかけて話し合うことが重要です。各々のアイデアを持ち寄ると違った意見が出るのは当然ですが、ミッションビジョンバリューには正解がありません。自分の意見が正しいと主張するよりも、お互いの思いを丁寧にすり合わせましょう。
ミッションビジョンバリューは社外に向けて発信する機会も多いため、言葉選びにも注意が必要です。夢のあるポジティブな表現を基本として、響きや語呂のよさも意識できるとよいでしょう。
4.ミッションビジョンバリューの事例3つ
ミッションビジョンバリューの具体的な企業事例を3つ紹介します。
【楽天】
・ミッション
イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする
・ビジョン
グローバル イノベーション カンパニー
・バリュー
楽天主義
引用:楽天「企業理念」
楽天の掲げる目標は、技術革新の最前線をいくグローバル企業となることです。バリューで定められている楽天主義とは、従業員一人ひとりが「起業家精神(アントレナーシップ)」を持って業務に取り組み、常に新しいアイデアを生み出すことを表します。
【HITACHI】
・ミッション
優れた自主技術・製品の開発を通じて、社会に貢献する
・ビジョン
日立は、社会が直面する課題にイノベーションで応えます。優れたチームワークとグローバル市場での豊富な経験によって、活気あふれる世界をめざします。
・バリュー
和・誠・開拓者精神
HITACHIではビジョンが抽象的すぎないため、社会での役割や目指す姿がより具体的に想像できるのが特徴です。また、バリューは団結を表す「和」、誠実さの「誠」、挑戦し続ける「開拓者精神」の3つに分かれています。
【GREE】
・ミッション
インターネットを通じて、世界をより良くする。
・ビジョン
毎日を楽しく幸せに、社会を自由で効率的に。
新しいサービスをより早く、より多くの人へ。
素晴らしいサービスを生み出すために素晴らしい会社を作る。
・バリュー
ロジカル × クリエイティブ × スピード。
現状に甘んじない。さらに高い目標をめざす。
常に前向きに挑戦する。成功するまでやり続ける。
一流の仲間を集め一流のチームを作る。
人に、社会に、仕事にまじめ。
引用:GREE「会社情報」
GREEのミッションビジョンバリューは、誰が見ても分かりやすい内容となっています。特にバリューは具体的に定められているため、従業員が日々の業務の中で意識しやすいでしょう。
まとめ
ミッションビジョンバリューは、企業価値や社会での役割を示す指針です。ミッションビジョンバリューを作ることで意思決定がしやすくなるだけでなく、従業員のモチベーションアップや離職率の低下にもつながります。ミッションビジョンバリューを決めるメンバーには必ず経営層の全員を含め、決定後には社内外への周知にも力を入れましょう。
この記事をご参考に、ぜひミッションビジョンバリューの構築・浸透をに力を入れてみてくださいね。
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