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PRの方法とは?メリット・デメリットと話題を集めた事例を紹介!
企業におけるプロモーションの役割がより一層重視されるようになり、さまざまなPR方法が登場しています。数あるPR方法の中から望ましい進め方を検討し、ステークホルダーと良好な関係を築くことは、企業の未来を左右する重要事項の1つです。
この記事では、PRの定義や種類から、近年における国内企業や地方自治体のPR成功事例まで詳しく解説します。PRの基礎知識を今一度確認し、自社の利益につながるプロモーションの進め方を検討したい広報担当者は、ぜひ参考にしてください。
1.PRとは?目的・重要性・種類
PR(パブリックリレーションズ)とは、企業を取り巻くステークホルダーとコミュニケーションを取り、相互に利益をもたらす関係性を築くことです。適切なPRを行うことで企業の社会的な評価は高まり、集客力や売上アップを図れます。
また、企業はPRを通じて消費者の口コミ評価やコメントなどのフィードバックを得ることが可能です。フィードバックをもとに企業のあり方を見直せば、広く社会に貢献できる経営へとブラッシュアップしていけます。
企業の行うPRは大きく分けて、企業PR・商品PRの二種類です。下表は、それぞれのPRの概要を示します。
企業PR |
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商品PR |
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現代は「良いモノを作れば、売れる」という時代ではなく、中長期的に収益を上げるためには、経営者のビジョンなどに賛同するファンを獲得することが必要です。企業PRを通じて獲得したファンは商品やサービスを継続的に購入する消費者へと、転換させられる可能性が高いと言えます。
商品PRでは企業PRで伝えた企業の理念や経営者のビジョンと、一貫性を持たせることが大切です。たとえば「お菓子で人を幸せにする」という理念を持つ製菓店の場合は、新商品発売時には、「食べると笑顔になれる」などのメッセージを伝えるための商品PRを行います。
1-1.PRにおいて重要なステークホルダーとは?
ステークホルダーとは、企業の活動に対して直接的・間接的な利害関係を持つ相手を示します。PRにおいて重要なステークホルダーの例は、下表の通りです。
- 消費者
- 株主、投資家
- 従業員
- 行政機関
- 金融機関
- 取引先
- 地域社会
企業が多くの収益を上げれば税金収入が増加して、国が潤います。そのため、行政機関は企業の活動と利害関係を持つ、ステークホルダーの1つです。取引のある金融機関は企業に融資して利益を得ることから、ステークホルダーに含まれます。
1-2.PRと似た言葉の違い
PRは「広報」「プロモーション」などと混同されることがあるものの、厳密には異なる意味を持つ言葉です。以下では、PRと広報・プロモーションの違いを説明します。
・「広報」との違い
広報とは、企業からステークホルダーに対して行う一方的なアプローチを意味します。具体的には、「消費者に対してメディアを通じた情報発信を行うこと」「IRによって株主、投資家へ財務報告を行うこと」などです。PRの場合は、一方的な情報発信だけではなく、相互関係を構築する活動も含みます。
・「プロモーション」との違い
プロモーションとは、「マーケティングミックス」における「Promotion(販売促進)」を担当する活動です。マーケティングミックスとは製品の開発から販売までの流れを「4P」に分類し、整理する概念を意味します。プロモーションをより細かく分類すると、「広告」「セールス・プロモーション」「PR(広報)」「人的販売」に分けることが可能です。
つまり、マーケティングミックスの中の一工程として、プロモーションが存在します。そして、PRはプロモーションの一環として行われる活動です。
2.PRのメリット・デメリットとは?
PRは必ずしも企業に良い影響を与えて、ビジネスを成功させるためのきっかけになるとは限りません。PRを行う際にはメリットとデメリットの両方を把握し、期待される効果を見極めた上で、実践に移す必要があります。
ここでは、企業がPRを実施する主なメリット・デメリットについて詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。
2-1.PRのメリット3選
通常、PRでは広告のように、直接的かつ一方的なアプローチを行いません。たとえばPRではプレスリリースなどによって経営者のビジョンや企業の理念をメディアに伝えて、拡散してもらう方法が採用されます。広告と比較した場合のPRのメリットは、以下の3点です。
メリット1:費用対効果が高い |
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PRではメディアの運営者が「有益」と判断した情報を、自主的に拡散します。そのため、広告のように枠を購入する費用が発生せず、費用対効果の高いプロモーションを行うことが可能です。 |
メリット2:情報の信頼性が高い |
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PRではメディアの運営者が拡散する情報を選択するため、消費者には、客観的な意見や評価として受け取られます。客観的な意見や評価は宣伝色が薄く、消費者にとっての信頼度を高めることが可能です。 |
メリット3:多くの消費者へ効率的に訴求できる |
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PRで発信した情報がテレビで拡散されると何万人もの視聴者に、企業や商品・サービスの存在を認知させることができます。PRで発信した情報がSNSでシェアされると消費者の周囲の人に対しても、影響を与えることが可能です。情報を目にした人が商品・サービスを購入すれば、費用対効果の高いプロモーションとなります。 |
さらに、PRは広告と連動させて、プロモーション効果を高めることも可能です。たとえばビールの新商品を発売する場合、製法や原料に関するテレビの取材を受けた後に動画広告などを出稿すると、プロモーション効果を高められる可能性があります。
2-2.PRのデメリット3選
PRと広告の大きな違いは、情報発信の確実性です。PRで拡散される情報はメディアの判断に左右されることから、PRには、以下のようなデメリットが発生します。
デメリット1:情報発信できる保証がない |
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PRでは一定の費用を支払い、広告を掲載してもらうわけではないため、確実な情報発信を行えません。たとえプレスリリースを送付してもメディアの担当者が「有益」と判断しない場合は、プロモーションを行うことが不可能です。 |
デメリット2:内容をコントロールできない |
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PRで発信した情報をどのように扱うかは、メディアの判断に委ねられます。メディアの判断によっては企業側の意図した内容とは異なる情報が拡散されて、炎上につながりかねません。メディアの判断によっては商品やサービスの弱点などに焦点をあてられるケースもあるため、注意しましょう。 |
デメリット3:意図した消費者に訴求できないケースもある |
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PRで訴求できる消費者は、メディアの視聴者や購読者に限定されます。そのため、企業の意図した消費者に対して、プロモーションを実施できないことがあります。 |
年齢・性別・地域などに関して詳細なターゲティングを行い、情報発信するためには、PRよりも広告が適しています。また、広告の内容は企業が自由に決定できるため、情報発信の目的に応じて、文章や画像を工夫することが可能です。
3.PRの効果的な方法3選
PRを効果的に機能させるためには、最適な方法を選択し、戦略的に実践する必要があります。しかし、PRにはさまざまな方法が存在するため、「いずれを選択すべきか」と悩んでしまうことが少なくありません。
ここでは、PRの代表的な方法を紹介するため、プロモーションの目的に応じた方法を選択しましょう。
3-1.マスメディア
マスメディアとは、新聞・テレビ・雑誌など公衆に対して情報伝達するメディアです。マスメディアに取り上げられると幅広い層の消費者に情報発信できるものの、拡散までに時間がかかる難点があります。
- 新聞
新聞記者に企業や商品・サービスの説明資料を渡して、記事内で取り上げてもらい、認知度アップを狙うPR方法です。新聞は歴史の古いマスメディアであるため消費者の信頼度が高く、「信頼度の高いメディアが認める企業(商品・サービス)」という安心感を与えられます。 - テレビ
ニュース番組やドキュメンタリー番組で企業や商品・サービスについて紹介してもらうPR方法です。テレビでは音声や動画を通じた情報提供を行えるため、消費者に対して効果的に訴求できます。 - 雑誌
雑誌の編集者に記事内で、企業や商品・サービスについて取り上げてもらうPR方法です。雑誌の読者の年齢・性別・趣味などとターゲット層を一致させることにより、効果的なプロモーションを行えます。
3-2.インターネット
インターネットメディアをPRに活用すると世界中の人に対し、リアルタイムの情報発信を行えます。インターネットメディアの主な種類とPRにおける活用法は、以下の通りです。
- 1次メディア
1次メディアとは、新聞社やテレビ局などが運営し、情報の拡散元となるインターネットメディアです。1次メディアは消費者から「信頼度の高いメディア」と認識される傾向があるため、安心感を与えられます。 - 2次メディア
2次メディアとは、1次メディアの配信する情報を抜粋し、掲載するメディアです。具体的には、ポータルサイトなどを指します。2次メディアは多くのアクセスを集めやすく、幅広い層の消費者を対象としたプロモーションに適しています。 - オウンドメディア
オウンドメディアとは、企業が独自に運営するブログやコーポレートサイトのことです。オウンメディアを通じたPRでは商品・サービスのターゲット層と、双方向のコミュニケーションを図れます。 - SNS
SNSの企業アカウントを運用し、新商品の発売告知を行ったり消費者からの質問に対応したりすることで、関係性を深めるPR方法です。インフルエンサー(多くのフォロワーを抱える人気ユーザー)に投稿がシェアされると、商品やサービスの普及が爆発的に進むケースもあります。
3-3.オフライン
プロモーションの目的によっては、オフラインで行うPR活動が望ましいこともあります。オフラインで行うPR活動の主な種類と特徴は、以下の通りです。
- 展示会、イベント
展示会やサンプリングイベントを開催し、商品・サービスの認知度拡大を目指すPR方法です。展示会などの準備には一定の時間と費用を要するものの、強力なファンを作るための効果的な一手になりえます。 - DM
消費者に対して手紙を送付し、商品・サービスを紹介するPR方法です。DMには割引クーポンを添付し、消費者の購買意欲を後押しすることも多くあります。
4.PRを成功させるためのコツ4選
成功するPRを企画するためには正しい手順を追って、「十分な事前準備を行うこと」「念入りに戦略を立てること」が大切です。さらに、PRは短期的な活動で終わらせず、継続的に取り組む必要があります。
ここでは、PRを成功させる具体的なコツを紹介するため、ぜひ参考にしてください。
・目的と目標を明確にする
プロモーションの目的や目標に応じて、最適なPR方法は変化します。PRを開始する前には必ず「メディアにおける露出度を高めて、企業の認知度を拡大する」など、プロモーションの目的や目標を明確化しましょう。
・ターゲットを明確にする
プロモーションの目的や目標を明確化する際には合わせて、PRのターゲットも決定します。ターゲットを決定する際には「どのような立場の人が経営者のビジョンに関心を持つか」「誰が商品・サービスに価値を感じるか」などの視点から、絞り込みを行います。
・2つ以上のPR方法を組み合わせる
さまざまなPR方法を組み合わせると各メディアの弱点を補い合い、相乗効果を発揮することがあります。プロモーションの目的や目標によっては「テレビとSNS」など、2つ以上のPR方法を組み合わせる方法も検討しましょう。
2つ以上のPR方法を組み合わせて、メディアごとに異なる情報を発信する手法は、「クロスメディア戦略」と呼ばれます。クロスメディア戦略ではメディアごとにターゲットを決定し、発信する情報や見せ方を工夫することが大切です。
・情報を更新し続ける
一度開始したPRを中断すると、企業活動そのものが停滞しているように受け取られるリスクがあります。PRの開始後は定期的に内容を更新して、情報発信を継続しましょう。
継続的なPRを行う中で発覚した課題は、次回の目標を決定したり戦略を立てたりする際に活かします。PDCAサイクルを繰り返し、より効果的な方法へとブラッシュアップしていくことが、PRを成功させるためのポイントです。
5.話題を集めたPRの事例を紹介
PRを成功させるためには、数多くの事例に触れて戦略の立て方や、プロモーションの進め方に関するノウハウを学ぶことも大切です。
ここでは、国内企業や地方自治体が行ったPRの中から特に注目を集めて、狙いどおりの成果を上げた事例を厳選した上で紹介します。
5-1.P&G
P&Gは洗濯用洗剤、ベビー用品、ヘアケア商品などを製造販売する企業です。P&Gは、自分らしく美しい髪が前向きな感情を後押しする、といった趣旨のブランド哲学に基づき、「#HairWeGo」キャンペーンを展開しました。
「#HairWeGo」キャンペーンは、学生の髪の自由が制限されている現状に焦点をあて、好きな髪色・髪型でいようとする人をバックアップする内容です。キャンペーンの一環として作成されたPR動画やサイトは大きな反響を呼び、地毛の黒染め指導が禁止されるなど、社会的なムーブメントに発展しました。
5-2.神戸女学院大学
神戸女学院は2017年の6月、スクールカラーの濃青色の上に「私はまだ、私を知らない」というメッセージを重ねたポスターを制作し、電車内広告として掲載しました。ポスター内のメッセージには、「神戸女学院で学び、自分自身の新たな可能性に気付いてほしい」といった想いが込められています。
神戸女学院の電車内広告は受験生以外の人にも注目され、SNS・テレビ・新聞などを通じて、多くの人々に拡散されました。神戸女学院では定期的に同形態のポスターを作成しており、大学の認知度拡大や社会的イメージ向上などの効果を得ています。
出典:神戸女学院大学「學報」
5-3.埼玉西武ライオンズ
埼玉西武ライオンズは、動物保全活動に長年取り組むオックスフォード大学と連携し、野生のライオンを救うプロジェクトを実施しました。西武ライオンズでは2019年のシーズン中、ホームゲームでホームランを1本打つごとに1万円をオックスフォード大学へ寄付しています。
埼玉西武ライオンズは、このPR活動によって、多くのメディアに露出することに成功しました。また、海外からもこのPR活動に対して賛同の声が集まり、埼玉西武ライオンズの認知度アップにPR活動は貢献しています。
出典:埼玉西武ライオンズ「2021年度『SAVELIONS~消えゆく野生のライオンを救うプロジェクト~』での寄付のご報告」
5-4.宮崎県小林市
宮崎県小林市は、急激な人口減少などの問題を抱えており、2014年には「消滅可能性都市」に指定された都市です。小林市では問題を解決するための施策として「シムシティ課」を立ち上げ、ゲーム的要素を取り入れつつ、若者の地域参加を促すPR活動を行いました。
シムシティ課とは、ゲームアプリ内に再現した小林市を箱庭として、地域の高校生や市の職員が街の未来の理想像を議論する組織です。小林市の取り組みはメディアに数多く取り上げられて、全国の自治体から問い合わせがくるほど、注目を集めました。
まとめ
PRとは、消費者・株主・取引先などと双方向のコミュニケーションを取り、双方に利益のある関係を築くことです。PR方法にはマスメディアやインターネットメディアなどの種類があり、プロモーションの目的や目標に応じた進め方を検討する必要があります。
「適切なPR方法が分からない」「効果的なPRを通じて、商品やサービスの認知度を拡大したい」と考える広報担当者は、専門家のサポートを受ける方法が一案です。たとえば、イマジナなどブランディングを専門とする企業のサポートを受けるとPR方法を総合的に見直すことで、PR内容をブラッシュアップできるでしょう。
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