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ブランディング戦略とは?立てるメリット・立て方・成功事例など
企業メッセージや商品、サービスのコンセプトを正しく伝え、ユーザーに「その企業ならではの価値」を認識してもらうことをブランディングと言います。そして、成功するブランディングには的確な「ブランディング戦略」の立案が欠かせません。
当記事では、ブランディング戦略の概要や戦略の立て方について詳しく解説します。ブランディング戦略を立てる際のコツや具体的な成功事例も紹介するため、ブランディングに取り組みたい企業担当者は参考にしてください。
1.ブランディング戦略とは?
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ブランディング戦略とは、ブランドがユーザーにどのようなイメージを抱いてほしいかを決定し、ビジネス計画に沿ってブランディングを行うことです。物価が上昇しても収入が増えず、消費者の購買意欲が低下する状況では、ブランディング戦略を通して「市場で選んでもらえるブランドイメージ」を醸成することが重要です。
1-1.ブランディング戦略を立てるメリット
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ブランディング戦略を立てる代表的なメリットは、以下の3つです。
他社との差別化を図れる |
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国内の類似商品に加え、安価な海外商品やサービスが集まる市場で消費者に自社製品を選んでもらうためには、他社との差別化を図る必要があります。ブランディング戦略を通して自社独自の特徴や魅力を発信することで、他社や類似商品との違いを印象付ける効果が期待できます。 |
顧客ロイヤルティを獲得し、認知度の向上を図れる |
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顧客ロイヤルティとは、消費者がブランドに対して抱く「信頼」や「愛着」のことです。効果的なブランディング戦略に基づいたブランディングを行い、「〇〇社製であれば安心」と思ってもらえれば、リピート率向上や周囲への推奨といった消費者行動が見込めます。また、多くの人が利用している商品・サービスほど世の中に浸透しやすいため、ブランド自体の認知度向上やコアなファンの増加が期待できます。 |
利益率の向上を狙える |
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類似商品や競合他社が集まる市場では、商品やサービスの安さを競う「価格競争」や、技術力の高さを競う「技術競争」が発生することが一般的です。しかし、ブランディング戦略に成功し顧客を魅了し続けるブランドの商品は、多少価格が高くても購入してもらえるようになります。独自のブランド価値を確立すれば、価格競争から脱却して利益率の向上も狙うことが可能です。 |
2.【STEP別】ブランディング戦略の立て方
ブランディング戦略の立て方は基本的に共通しており、下記の5つのステップで戦略が立てられます。
- 自社の現状分析
- ターゲティング
- コンセプト設計
- ブランドイメージの統一・可視化
- 訴求方法の決定
ブランディング戦略においては、上記ステップのPDCAサイクルを長期的に回して改善を繰り返すことが重要です。ここでは、各ステップの詳細について解説します。
2-1.【STEP1】自社の現状分析
ブランディング戦略の目標や方向性を定めるためには、自社の現状把握が必須です。自社の強みや課題、歴史やビジョンなどを深く分析するだけでなく、「市場においての自社の立ち位置」を分析してブランドの本質的価値を見極めます。
自社を取り巻く環境の構成要素は、多様かつ複雑なケースが多くなります。市場を顧客の性別や年齢など複数の切り口で細分化した上で、PEST分析などのマーケティング手法を活用し、具体的に調査と分析を行いましょう。
2-2.【STEP2】ターゲティング
現状分析でブランドの本質を見極め、ブランディング戦略における達成目標や方向性を定めたら、顧客となるターゲットを設定します。
「誰に向けてブランド価値を伝えるのか」を選定するターゲティングは、ブランディング戦略の中でも重要な作業です。幅広いユーザー層にアプローチしようと考えると、戦略の軸を定めにくくなりブランディング効果が減少するので、ターゲットは具体的に絞りましょう。
現状分析で得た情報を活用しながら他社との差別化を図り、独自路線で宣伝活動を実施する視点を持つことが大切です。
2-3.【STEP3】コンセプト設計
自社の現状分析やターゲティングができたら、下記のような概念を明確にしながら目指すブランドコンセプトを設計します。
- ブランドプロミス
- ブランドアイデンティティ
- 消費者に抱いてほしいイメージ など
コンセプトを設計する上では、自社の現状とマッチするコンセプトを設計しましょう。現状とかけ離れたコンセプトを設定すると、自社の状況をコンセプトに合わせるための負担が発生し、ブランディングを成功させる難易度が高くなります。
2-4.【STEP4】ブランドイメージの統一・可視化
ブランドコンセプトを明確にし、ブランディング戦略を定義しただけで顧客に魅力を伝えることはできません。チームやデザイナーが意図したブランドイメージをデザインに落とし込み、可視化する必要があります。
ブランドアイデンティティの可視化に欠かせないロゴマークやキャッチコピーは「抽象メディア」と呼ばれ、ブランディング戦略に欠かせない存在です。ブランディング戦略では、抽象メディアをWebサイトやテレビCMなどの可視メディアに具体化します。
可視メディアの制作では、ユーザーや顧客にブランドイメージを正確に伝えるため、ブランドイメージの世界観を統一することが重要です。
2-5.【STEP5】訴求方法の決定
近年の広報活動は、SNS広告や動画配信サービスにおける情報発信、イベントやプロモーションの実施など多様化しています。自社商品や自社サービス、ターゲットに合わせたブランド訴求の手段や方法を決め、適切なトーン・マナーで表現することが大切です。
例えば、企業独自のメディアで情報発信を行ったり、インフルエンサーとのコラボレーションで認知度やイメージの向上を目指したりする企業が存在します。自社の状況、広報に割ける予算などを考慮しつつ、最適な方法を模索しましょう。
3.ブランディング戦略を立てる際のコツ
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ブランディング戦略を立てる上では、以下の3つのコツを押さえることが大切です。
・必要に応じてターゲット層を見直す
同じ商品やサービスでも、20代への販促から40代への販促にターゲットを移行すると、うまくいく場合があります。より精度の高いブランディング戦略を立てるためには、年齢に限らず職業や趣味などの環境に着目しながら、柔軟にターゲット層を見直すことが大切です。
・分かりやすい言葉を使う
ユーザーや顧客に対して、どのようにブランドイメージを伝えたいのか検討する際は、誰にでも理解してもらえる分かりやすい言葉を使うように心掛けましょう。形や響きにこだわって、あえて難しい言葉を使う必要はありません。
・顧客目線を大切にする
独りよがりのアイデアではなく、ユーザーや顧客目線で共感が得られるものを戦略に反映しましょう。大衆受けを重視するのではなく、的確なターゲット層を見極めた上でコアなユーザーの要望に応える姿勢も大切です。
4.ブランディング戦略の事例2選
ここでは、ブランディング戦略の具体的な成功事例を2つ紹介します。
・ハズキルーペ
メガネ型拡大鏡の販売で有名なハズキルーペは、CMに若いタレントを起用して新たなターゲット層の獲得に成功した企業です。従来、拡大鏡は高齢者が新聞を読む際などに使われるイメージでしたが、近年では「スマホ老眼」に悩む若い世代も手に取るようになりました。
デジタル時代の潮流を的確に把握し、適切な表現方法でターゲット層へのアプローチに成功した事例と言えます。
参考:https://www.hazuki-l.co.jp/hazuki/hazukiloupe.html
・瞬足
運動シューズの「瞬足」はブランドイメージの統一を重視し、巨大ブランドへの成長を実現したブランディング戦略の成功事例です。瞬足を開発した株式会社アキレスは、靴底の「左右非対称」という最初に定まった機能と、「コーナーで差をつけろ」というコンセプトを守り抜きました。
発売当初から貫かれた瞬足独自のブランドイメージは、かけっこでの活躍を夢見る子どもや、子どもを学校に通わせる親の共感を得て多くの消費者に支持されています。
まとめ
ブランディングを成功させるためには、的確なブランディング戦略の立案が求められます。ブランディング戦略を立てることで、他社との差別化やブランド認知度の向上が期待できます。紹介したブランディング戦略の立て方を参考にしながら、自社のケースを検討してみてください。
また、誰にでも理解できる分かりやすい言葉で表現することや、顧客目線で共感が得られるアイデアを戦略に取り入れることも大切です。ブランディング戦略のコツを押さえ、独自のブランディングを成功させましょう。
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