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ブランディング企画書の作成方法|必要性や作成時のポイントも解説
ブランディング戦略を進める際、企画書を作成した方がよいのか迷っている担当者もいるのではないでしょうか。企画書の作成にはいくつかの手順が必要ですが、ブランディング戦略への理解を深め、ブランディングについて社内で共有する際に有用です。
当記事では、ブランディング企画書の作成方法について順を追って解説します。企画書の必要性を理解した上で企画書を作成し、自社がブランディング戦略に成功するよう役立ててください。
ブランディング実施時に企画書は必要?
ブランディング戦略を実施する際、企画書は必ず作成するものではありません。社内で稟議が通りさえすれば不要だと考える人もいるでしょう。しかし、ブランディング企画書を作ると下記のようなメリットを得られるため、作成することをおすすめします。
■ブランディング企画書を作成するメリット
- 社内全体にプロジェクトの内容を共有できる
- ブランディングの効果分析をしやすくなる
ブランディング戦略に取り組むのが初めての場合、ブランディングに対して社員一人ひとりが異なった認識を持っている場合があります。企画書があれば、自社が現在抱えている課題と、それに対しブランディングがいかにして解決策となり得るかを社内全体で共有することができます。あらかじめ戦略を分かりやすく企画書にまとめておくと、プロジェクトの目標に向かい社員が一丸となって役目を果たせる点がメリットです。
また、ブランディングは顧客の頭の中に自社に対して抱いてほしい「イメージ」を定着させることが目的です。「イメージ」という抽象的なものに対し、定量的に効果を測定するためには、企画書作成時に目標を数字化し、効果測定の仕方を定めておくとよいでしょう。
ブランディング企画書の作成方法
ブランディング企画書には2種類の企画書があります。1つ目は社員に対し「ブランディングとは何か」を理解してもらうための前提資料となる企画書です。2つ目は「自社の製品やサービス、企業についてのブランディング戦略」に関するメインの企画書です。
ここでは、実際に自社のブランディング戦略についての企画書を作る手順について説明します。
ブランディングの必要性をまとめる
最初に、そもそもなぜ企業ブランディングが必要なのかをまとめます。
ブランディングとはマーケティング活動の一種で、自社の企業価値を高めることで市場での優位性を獲得するのが目的です。ブランドのイメージはパッケージやロゴ、ビジュアルなどによって認識され、その上に体験や感動が重なって形成されます。ブランディングを行うと、ロイヤリティーの向上、知名度アップを図れるほか、資金調達に優位になったり、価格競争に巻き込まれることを回避できたりします。
ブランディングによって得られるメリットや現状への問題提起から、ブランディングの必要性をまとめましょう。他社の成功事例を参考にして説明するのも有効です。
ブランディングの目的を設定する
次にブランディングによってどのような課題解決を成し遂げたいか、目的を設定します。
目的は、ブランディングによって得られるメリットの中から定めてもよいでしょう。ブランディングによって自社が認知され他社との差別化に成功すると、集客、販促、PRといったマーケティング全域において優位性を保つことができます。広告費を下げ価格競争から身を引き、自社の利益率を上げるというのも目標の1つです。
また、自社のブランド力が向上すると企業としての社会的信用が高まり、株価の安定にも貢献します。社会的信用が高まることで社会に対する発信力も大きくなり、商品やサービスに注目されやすくなるという好循環が発生します。
ブランディング戦略によって起こりえるさまざまな可能性から、ブランディングの目的を設定しましょう。
顧客や競合の調査結果をまとめる
次に顧客調査・競合分析を行い結果をまとめます。
自社の顧客イメージを調査するには、ユーザーへのアンケートが基本的な調査方法として挙げられます。インターネットなどを用いて、消費者のニーズやプロモーション効果、顧客満足度などを調査します。
また、顧客調査と同時に行うべきなのが競合分析です。競合分析では3C分析などのフレームワークを通して、下記を調査します。
- 競合他社の顧客…どういった顧客層なのか、自社の競合となり得るのか
- 競合他社の製品やサービス…4Pなどの分析手法を活用し自社との差別化を図る
- 競合他社の経営方針やリーダーシップ…企業理念・経営方針についてもリサーチをする
ブランドコンセプト・ブランドストーリーをまとめる
ブランドを立ち上げるには、ブランドコンセプトが欠かせません。自社のイメージを固めるために、ブランドが日々果たしていく使命や目的を言語化し、ブランドコンセプトを作成します。
また、ブランドコンセプトの他にブランドストーリーを作ることで、ブランドの誕生背景や思想、競合他社にはない特徴を消費者に伝え、自社のブランド価値を高められます。ブランドストーリーの作成時は自社ブランドの世界観をイメージでき、ターゲット顧客が共感できるようなストーリーになるよう心がけましょう。
顧客満足度の上げ方を解説する
ブランディング戦略を行うことによって、どのように顧客満足度を上げるのかを解説します。
ブランドコンセプト・ブランドストーリーと照らし合わせ、自社の醸成したいブランドイメージに沿った顧客満足度の向上施策を考案します。顧客が何を求めているか、そして自社は何を提供すべきかが一致する施策を提案することで、顧客が商品やサービスで得た体験の価値が向上し、顧客満足度につながります。
顧客満足度向上のための施策を考案し、どのような成果を上げられるのか予測して企画書に記載します。
予想できる結果を記載する
最後にブランディング施策により得られる成果について記載します。
自社のブランド価値が高まり社員満足度が向上した結果、離職率の低下や採用における優秀な人材の獲得につながるかもしれません。顧客から価格ではなくブランドで選ばれるようになり、収益の改善につながることもあるでしょう。さらにブランディングは、広告費のコスト削減にも貢献します。
ブランディング戦略が自社にどのように貢献するのか、特に収益の面から予測できる結果を記載します。グラフや図を用いて説明するとより分かりやすくなるためおすすめです。
ブランディング実施の企画書を作るポイント
ブランディングの企画書は、ブランディングの戦略を社内に共有するために作成します。
社内で認識を一致させ、どの部署の担当者も迷いなく動けるような企画書を作ることが大切です。認識の齟齬が起こりにくいように、文章で表現するだけでなく数値化できる部分は数値化し、主観的ではなく客観的な表現になるよう心がけましょう。目標となる数字はなるべく細分化し、最終目標の達成に必要となる月々の目標まで設定します。
また、ブランディング企画書では初期設計を綿密に行うことも重要です。ブランディングは中長期的に行うため、初期設計を誤ると軌道修正が必要となり、効果が出るまでにさらに長い時間がかかってしまいます。すぐに結果が出るものではないとはいえ、できるだけ短期間で結果が出せるように、初期設計は慎重に行いましょう。
まとめ
ブランディング企画書を作ることで、社内全体にプロジェクトを共有でき、さらに効果の分析もしやすくなります。社内にはブランディングについてよく知らない社員もいるため、ブランディングとは何かを解説した企画書に加えて、自社の戦略を記載した資料を作るようにしましょう。
企画書は、社内すべての人がブランディング戦略に向けてどのように動けばいいか把握するためのものです。ブランディングの目的や必要性をきちんと記載し、結果どうなるかを数値まで含めて明らかにしておくと分かりやすい資料になります。
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