ポテンシャル採用とは?背景とメリット・成功させるポイントを解説

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ポテンシャル採用とは?背景とメリット・成功させるポイントを解説

ポテンシャル採用とは、求職者の可能性や潜在的な力を見る採用方法です。即戦力ではなく社内に新しい風を取り入れ、将来発揮する可能性に期待して人材を選考します。新卒採用や中途採用に加えて、近年ではポテンシャル採用を導入する企業もあります。

当記事では、ポテンシャル採用の意味や注目される理由、またメリット・デメリットなどについて解説します。ポテンシャル採用の導入を検討している人事・採用担当の方はぜひお役立てください。

1.ポテンシャル採用とは?

ポテンシャル採用とは、人柄・素質といった潜在能力を重視する採用方法です。従来の採用活動のようにスキルや経験を採用基準としないため、主に育成を前提とした未経験者採用のための採用活動に用いられます。

近年、ポテンシャル採用は多くの企業から注目を集め、実際に大手企業でも導入されています。ポテンシャル採用を導入した例としては、次のような企業が有名です。

●ヤフー株式会社

2016年10月から新規一括採用を廃止し、ポテンシャル採用を導入

●サイボウズ株式会社

採用活動の年齢制限を撤廃し、ポテンシャル採用に切り替え

●株式会社リクルートホールディングス

2019年4月から国内9社の新卒採用を統合し、一部職種にてポテンシャル採用を行う

●株式会社コロプラ

2021年4月以降、通年のポテンシャル採用に切り替え

2.ポテンシャル採用が注目される理由

ポテンシャル採用への注目が高まっている背景には、次のような理由があります。

●人材不足による採用活動の難化

少子高齢化の影響もあり、採用市場では人材不足による競争の激化が進みました。各企業のニーズにマッチする人材の確保が難しくなったことから、従来の採用方法からのシフトチェンジが求められ、ポテンシャル採用に注目が集まっています。

中小企業での採用や経験者採用は特に困難で、数少ない優秀な人材が来ても経験年数の少なさがネックとなって採用を見送るパターンも少なくありません。ポテンシャル採用は未経験者にまで門戸を広げられるため、これまで採用の対象と見なしていなかった新たな人材を発掘することも可能となります。

●多様な人材の採用

従来の採用活動は、新卒・中途採用が一般的です。新卒・中途採用は競争率が高い上に、新卒・中途採用の基準に合わない人材を取りこぼすこともあります。たとえば、第二新卒・博士号取得者や、海外留学中の学生など日本企業の採用スケジュールと合わない人材は、従来の採用活動ではピックアップが困難です。

ポテンシャル採用では、既存の方法では採用できない優秀な人材の掘り起こしが行え、これまで自社にいなかった経歴の持ち主など多様な人材を採用するのに有効です。

3.ポテンシャル採用のメリット・デメリット

ポテンシャル採用の対象は若手で、主に20代となっています。ただし、求職者のポテンシャルによっては30代前半までの人材が対象となることもあります。

新卒採用も経験ではなく人柄などで採用するという意味では、ポテンシャル採用の1つと言えるでしょう。ただし、新卒採用はポテンシャル採用とは対象者の基準が異なります。ポテンシャル採用にはおおよその対象年齢があるものの、新卒は大学卒業見込みの学生・大学卒業後3年以内など、募集条件が厳しいのが特徴です。ポテンシャル採用は通年・不定期に行われる傾向があるのに対し、新卒採用は年に1〜2度程度行われることが多くなっています。

ポテンシャル採用は、従来の採用方法ではカバーできない課題を解決できる方法です。一方、従来の採用方法とは異なる問題点も発生します。ここでは、ポテンシャル採用のメリット・デメリットを紹介します。

3-1.ポテンシャル採用のメリット

ポテンシャル採用のメリットは次の通りです。

●優秀な人材を採用できる

ポテンシャル採用を行うことで、実務経験はなくとも社会人として優れている人を採用できます。新卒・中途採用の対象外とされてきた求職者の中からも、優秀な人材を採れる可能性が高まります。

●新人教育のコストを削減できる

新卒採用を行うと、最低限のビジネスマナーなどの新人教育が必要です。ポテンシャル採用の場合は、社会人経験を積んだ人材を採用すれば新人教育にかかるコストを削減できます。

●若手不足を解消できる

採用の対象を経験者に絞ると、経験のある若手の採用が難航し、社員の年齢層が高くなる傾向にあります。ポテンシャル採用で若手を積極的に採用することで若手不足を補い、社員の年齢層を厚くしたり若返りを図ったりすることが可能です。

●多様性のある組織作りに役立つ

未経験者採用は、他業種の経験がある人材を獲得できるチャンスでもあります。同業の経験者ばかりだと発想や知見が偏ることがあるものの、異なる分野の考え方を取り入れることで組織に新しい風を入れることが可能です。

3-2.ポテンシャル採用のデメリット

ポテンシャル採用のデメリットは次の通りです。

●専門スキルの教育コストがかかる恐れがある

新人採用と比較すると教育コストが抑えられる一方、業界の専門性の高いスキルや知識は採用後に教育する必要があります。そのため、経験者採用と比較すると教育コストがかかるでしょう。

●早期退職を招く恐れがある

ポテンシャル採用で採った人材は、他業種の企業から転職者である可能性が高いです。退職を経験すると辞めることへの抵抗が薄れるため、理由があれば早期退職する恐れがあります。

特に他業種の経験者は、自社や元の業界の慣習・文化が前職と異なると馴染めない場合もあるでしょう。慣習・文化のずれが人間関係の不和やストレスのもととなり、早期退職につながる場合もあることを視野に入れる必要があります。

4.ポテンシャル採用を成功させるポイント

ポテンシャル採用を行う場合、求職者のポテンシャルを適切に見極めることが大切です。求職者のポテンシャルを見極めるには、職種を問わず新しい仕事や環境に前向きな姿勢を示しているかを見極めましょう。見極めのポイントとしては、成長意欲を持っているか・目的意識があるかといった点が挙げられます。

ここでは、求職者のポテンシャルを的確に評価し、ポテンシャル採用を成功させるためのポイントを解説します。

4-1.自社が求める「ポテンシャル」を明確にする

ポテンシャルは、資格や経験年数のように明確に示すのが難しいものです。そのため、まずは自社が望むポテンシャルを明確にし、選考の方向性や採用基準をより具体的にすることが大切です。

採用面接の際のあいまいな印象だけで採用を決めると、自社に合わない人材を採用し、入社後にミスマッチが発覚するケースもあります。ポテンシャルの評価基準を決める際には、採用担当者の主観に左右されすぎないよう、客観的な基準を設けましょう。

4-2.求人媒体を適切に選定する

採用活動を成功させるには、求職者の目に留まる広報を行い、求職者に応募してもらう必要があります。求人媒体は基本的に、短期の仕事・エンジニアなど特定のターゲット別で運営していることがほとんどです。

ポテンシャル採用の場合、未経験の若手を採用するので、若い年齢層の求職者が集まる媒体に求人情報を掲載すると効果的です。

従来の求人媒体だけでなく、自社サイトの内容の充実化やSNSの活用など、Webを通じて積極的な情報発信を行うのも求人応募獲得に有効な手段になります。

4-3.研修やサポート体制を整える

ポテンシャルのみで人材を戦力化するのは困難です。採用後の社員に新しいステージで活躍してもらうには、スキル・知識を習得してもらうことが不可欠です。そのため、自社での研修・サポート体制を整える必要があります。一般的な社内研修にくわえ、学習・資格取得の補助金制度など、社員の学びをサポートする手段を講じましょう。

仕事上の悩みや職場に馴染むまでのサポートとして、メンター制度などを活用するのも1つの方法です。

まとめ

ポテンシャル採用とは、求職者の人柄や素質などの潜在能力を重視する採用方法です。スキルや経験を採用基準とせず、入社後の育成を前提とした未経験者の採用に用いられています。これまで採用対象としていなかった新たな人材を発掘でき、自社にはいない経歴を持った多様な人材を採用するのに有効です。

ポテンシャル採用を成功させるには、自社の求めるポテンシャルを明確にして、求める人材に適した求人媒体で求人を出すことです。入社後を見据えて研修やサポート体勢を整えることも大切になるでしょう。

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